ローゼンメイデンのガイドライン ドゥエルヴァルツァ

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513水先案名無い人
>>503の続き
!?
部屋から聞こえた声に凍り付いた身体が弾かれたようにビクンと跳ねた。
「翠星・・・石・・・?」
自然と身体が前に出る。全身を縛り付けていた得体の何かがスルリとほどけていった気がした。
―――夢でも見ていたのだろうか?
いつも俺と反発し合っていたはず翠星石の突然の告白。
逢瀬。嫉妬する人形。そして俺は斬られ・・・翠星石は・・・
なんて気分の悪い夢。まさに、最悪・・・なんでこんな夢を?
血を流しすぎたからだろうか・・・
・・・?
血を流した・・・?血を流したのは現実?
なら・・・夢はどこからはじまった・・・?―――
やけに遅く流れた一瞬の刻。
だが、そこまで思考が巡ったところで俺の身体はついに部屋の中に入っていた。
「ちゃっちゃとするですぅ・・・ ・・・なんてね。あはっ ははははっ あははははははははははははは!」
部屋に入った俺の眼に飛び込んできたのは首から下を喪くした翠星石の顔を自分の顔に寄せて持つ、蒼い人形の姿だった。
「はははっ・・・はは・・・はぁ・・・・・・ねぇ、見てよ。綺麗だろう?ボクの翠星石は・・・」
人形が、喋ることを許されなくなった翠星石の頬にそっと唇を寄せた。

・・・なんだこれは?

俺が今、見ているものはなんだ?俺は、何を見ている?
俺の中で張り詰めていた何かが、音を立てて途切れた。
世界が意識から遠ざかっていく。
『これで・・・翠星石はずっとボクの側にいてくれる・・・』
閉じかけた意識の外で、誰かの声がする。
でも・・・もう。どうでもいい。
そして、俺の意識はここで途切れた。

(全部書きました・・・これ以上は表示されません・・・)