ローゼンメイデンのガイドライン ドゥエルヴァルツァ

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503水先案名無い人
>>489の続き

ごとり、と音がした。
入口の縁に手を掛けた姿勢のまま凍り付く。押さえることをやめた左腕の傷口から
心臓の鼓動が速くなったのを証明するかのように、尚、一層激しく血液が逃げていく。
今の音は・・・
それから先を考えたくないと脳が拒否し、唾など出ないというのに喉がゴクリと鳴いた。
「・・・あはっ」
まだ見ることの出来ない部屋から微かに漏れる声。じわりと額に汗が滲む。
続いて聞こえるのは何かを切り刻む鈍い音。
「ははははっ ・・・あはっ ははははは」
ざしゅっ
「はははははははははははは! ・・・美しい・・・」
ぐしゅっ
「綺麗だよ・・・ ははっ あはははは」
ずちゅっ どしゅ
・・・やめろ・・・いやだ・・・
「ははは すごいよっ なんて美しいんだっ!」
ずしゅっ ・・・ にちゃ ・・・
もう・・・やめろ・・・
「綺麗だ! 美しいよ! もの言わぬキミは本当に美しい!
あはっ はは・・・ ははははははははははははははははははは
全身を襲う寒気に歯の根が合わない。指が真白になるまでこめられた力が、右手の指の爪を縁に喰い込ませた。
「・・・まだそんなところにいるですか?早く入ってくるですよ人間」
!?

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