ローゼンメイデンのガイドライン ドゥエルヴァルツァ

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489水先案名無い人
>>478の続き

『人間っ!早く逃げるです!早くっ!』
霞みかけた目が覚める。声は部屋の中から響いてきていた。
翠星石!
そこで俺は混濁した意識の中でやっと我を戻した。一体、何をしていたのだろう。
翠星石を残して一人で逃げ出すなど・・・
「翠・・・せ・・・い・・・石・・・!」
身体を壁にあずけたままごろりと回転して方向を転換する。
『やめるです蒼星石っ!』
『何故だ!?何故邪魔をする!?』
言い争う双子の声。部屋までの数歩の距離がやけに長い。
まだ朦朧とする意識に届く二つの声はミキサーにかけた二つの果物のように混ざり合う。
『お願いだからもうやめ』『ふざけるな』『僕らの絆を壊す奴は』『だめ』
『何故だ』『だって』『翠星石は』『やめろ』『だまれ』『あの人が』『言うな』
『だって』『だめだ』『やめて』『やめろ』『守る』『殺す』『 』『 』『 』『 』『 』『 』『 』
溶け合って一つになっていく声を聞きながら一歩ずつ部屋に歩み寄る。
「ぁぐぅっ!」
やけにクリアな悲鳴が聞こえたのは部屋に辿り着き
入り口に手を掛けた瞬間だった。
ごとり、と音がした。

(省略されました 続きを読むには『 』『 』と書き込んでください)