魔王のガイドライン4

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77水先案名無い人

 こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
 それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。

父   「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」
子   「お父さんには魔王が見えないの。変な仮面をかぶって、長い服を着ている・・・」
父   「あれはたなびく霧だ・・・」
魔王 「・・・・・・・!!・・・・・・?」
子  「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」
父  「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」
魔王 「・・・・・・・!?・・・??・・・?!」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに魔王の娘が!」
父 「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」
魔王「!!!!!・・・・!?!?・・・・!!」
子 「おとうさん、おとうさん!魔王がぼくをつかまえる!魔王がぼくをひどい目にあわせる!」

 父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
 腕に抱えられた子はすでに爆破を伴う打撃や捕獲(仮)をまともに喰らった。