【会話は】諸君　私は〜が好きだ･15【改変で】

「もっとも恐るべき浪士結社とは何か　わかるかね勤王志士」
「・・・・・・・新選組」
「そうだその通りだよ　我らが宿敵新選組だよ勤王志士
　ではなぜ新選組はそれほどまでに恐ろしい？
　新選組は弱点だらけだ
　新式大砲を嫌い　ミニエー銃を嫌い　大政奉還や錦の旗は身を焼く
　脱退・敵前逃亡は士道不覚悟で切腹　時勢に目をそむけ　薩摩藩に目をそむけ
　ほとんどの新選組隊員は徒党を組んでしか動けず　安息のねぐらは唯一ツ暗く小さな駐屯所だけ
　それでも新選組は無敵の怪物と呼ばれる
　勤王志士　何故だかわかるかな」
「・・・・・・・幕府や会津藩の後援を受けている事？」
「それは決定的ではない」
「心臓に刀を刺さないと死なない事？」
「少々役不足だ　倒す法はそれに限らん」
「会津藩の金を吸い　いくらでも仲間と下僕を増やす？」
「それは確かに恐るべきことだ　だが無敵か、とは少し違う
　もっともっともっともっと単純なことだ」
「・・・・・・・剣の腕が立つ？」
「そうだ　新選組はとっても剣客なのだよ　勤王志士
　反射神経　集中力　第六感　身体能力　特殊能力
　組織力　財政力　探索力　凶暴性　ｅｔｃ　ｅｔｃ
　しかし最も恐るべきはその純粋な暴力・・・『剣』だ
　勤王志士達を軽々と大根の様に斬り捨てる
　そしてたちの悪いことに新選組隊員達はその力を自覚している
　単一能としてでなく　彼の理知を持って力を行使する『剣客』だ
　新選組との近接戦闘は死を意味する
　いいかね勤王志士　新選組とは知性ある
　血を撒く『剣鬼』なのだ　これを最悪といわず何をいうのか」

アーーーアーーーー
アローアロー聞こえますかーーー
池田屋参集浮浪のミナサマ　コンニチワーッ　アローッ
どうしようもない　インテリで過激派のくそ吉田稔麿ちゃんもきいてますかぁ？
僕様チャンたちの名前は新選組ーーーッ
局長の近藤勇でーす　始めましてー　よーろーしーくーねー
こちらはただ今遅めの突撃準備の真最中ゥ
京都守護職の人員の皆様を今か今かとお待ちしてまーす

今から御用改めしに行くぜ
小便すませたか？　帝にお祈りは？　部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK？

まぁ　切腹する時間はあるかもしれないから死ねば？　オススメ
じゃあねーッ　みんな愛してるよーッ　ブツッ　ザッザーッ

もう駄目だ　俺たちはもうおしまいだ

うるせえ！！馬鹿野郎！！

もう新選組の相手なんかいやだ！！もう限界だ！長州藩邸も桂小五郎も俺たちを見捨てやがった！！
何いってんだおめえは　どこにも出れねぇしどこにも行かさねぇぞ

俺は帰る！！もういやだ！！
どこに行く気だ？おまえの墓穴はここだぞ
墓標はこの馬鹿でかい池田屋　墓守りはあのおっかねぇ桂だ

碑文にはこうだ
「すごく格好良い勤王志士が　悪い新選組をやっつけて　すごく格好良くここに眠る」

だがおまえのせいで変わっちまう　おまえがメソメソしてるから
「ヘタレの浮浪　女の様に泣きながら　大根の様に斬られる」

冗談じゃねえ　おまえには無理矢理でもカッチョ良く死んでもらうぞ！！
好き好んで脱藩して好き好んで国事に走ってんだろが！！　おい同志！！
だったら好き好んで戦って死ねや！！

糞・・・ッ　くそォ　攘夷(ファック)　攘夷(ファック)！！

それにな　まだ死ぬときまったワケじゃねえよ　俺達ゃ志士だ
ホレ！！さっさと刀(ポン刀)を構えるだよ！！　長州藩が今　点数をひっくり返すさ

みなごろしだと！？ バカなッ

はい そう命じました
我々第新選組はもっと攻性の集団であるべきです
徳川幕府は暴力を振るうものには微塵の躊躇もなく
さらに巨大な暴力を振るう絶対的なモノであるべきです

ばッ馬鹿なッ
それでは幕府の人道主義は・・・

でも長州勤王過激派藩士や土佐脱藩志士共は 人間じゃないですから
徳川の御世を邪魔する サタンの使いですから
きれいごとで片付かなければ 手を汚しても片付けなければ
あの誠の隊旗は そして新選組は そのために作られた

「士道のためなら局長をも殺す」
それこそが

その狂信こそが
「壬生狼」の名を持つ 我々「新選組」の原理
幕府の懲罰の地上代行者
会津藩御預かり「新選組」は
そのために作られたのですから！！

狂ってるよ貴様ら

ふうん　君らが狂気を口にするかね？　勤王志士諸君

ああそうだ　おまえ達はまともじゃない

ありがたいことに私の狂気は君達の旗印が保障してくれるというわけだ
よろしい　ならば私も問おう

君らの旗印の正当は　一体どこの誰が保障してくれるのだね？

……ッ

一体どこの誰に話しかけているのか判っているのかね？
私が隊服を着ていれば良かったかな？

我々は新撰組（壬生狼）だぞ？　一体何人殺したと思っているのかね？

闘争と暴力を呼吸するかの様に行う剣客の集団にかね？
いかれている？何を今更！！　半世紀程いうのが遅いぞ！！

よろしい！！結構だ！！　ならば私を止めてみろ自称救国の諸君！！

しかし残念ながら私の敵は君らなどではないね
少し黙っていてくれよ勤王志士

私の敵は長州！！　土佐、薩摩！！いや！！

そこでうれしそうにたたずんでいる官軍だ

なんとも素敵な幕末ネタ、うれしいね。維新だ、これでまた維新ができるぞ

局長？
君が・・・？新選組のか！？
外島機兵衛！！　こんな田舎道場主がかい！？

「こんな田舎道場主」がとはずいぶんなおっしゃりようですね京都守護職松平容保様

え　あ　いやその　あ

私が局長の近藤勇です
このたび芹沢鴨を殺し隊内を統一いたしました
「こんな田舎道場主」などと呼ぶのはやめて頂きたい

あ　いやその　うんはい
こ　これはすまなかった　ご　ごめん

芹沢鴨前筆頭局長は生前よくいっておられました
何か頼み事をしたい時は会津藩にお頼みしろ　と

そッそうなんだ芹沢の奴ッ！！
何かあるとこの私に無理難題ばっかり
や　やれー活動の資金よこせーとか
タ　大砲よこせーとか
まったくあいつ――ッ

私も鴨に負けずにいっぱいお頼りすると思います
どうかよろしく！！

え　え――――ッ