魔王のガイドライン3

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162水先案名無い人
父    「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」
子    「お父さんには魔王の娘が見えないの。かんむりをかぶって、長い衣を着ている・・・」
父    「あれはたなびく霧だ・・・」
魔王娘 「あなたなんか大嫌い!だけど、人が足らないから遊びの仲間に入れてあげるわよ。
      あなたのためじゃないけどきれいな花が咲いているし、金の服も作り過ぎちゃったからあげるわよ。」
子    「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王の娘は素直じゃないよ。」
父    「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」
魔王娘 「ほんとにバカなんだから!私と一緒に来なさいよ。
      私はどっちでもいいんだけど、私のお父さんがあなたのことをもてなすんだっていってるのよ。」
子    「お父さん、お父さん!最初と違うんだけど!」
父    「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」
魔王娘 「その・・。もう我慢できない。力づくとか・・・いやなの・・。私をこうした責任、取ってもらうからね!」
子    「お父さん、お父さん!最初とぜんぜん違うんだけど!」

 父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供をその場に残し、父親は魔王の娘の館に着いた・・・
 残された子に父の趣味など理解出来なかった。