12 名前: 名無し名人 [sage] 投稿日: 2005/11/01(火) 09:01:23 ID:e31xvUC6
趣味に将棋と書き、面接を受け合格し会社に入った。
転職組の俺はとにかく結果を出さないと生き残れないと思った。その間、24で
指す時間もめっきり少なくなっていった。とにかく成果を出さないと・・・
そんなある日、先輩Aさんとトイレで会った。俺の二次面接の面接官だった人だ。
開口一番「おまえ、将棋好きか?」と聞かれた。「はい、好きです」と俺。
「そうか…好きか……」話はそれで終わって俺は忙しいデスクに戻った。
それから一年後、Aさんが会社を辞めた。
Aさんが元奨励会員だったというのは辞めてから聞いた。色々話をしたかったと
の思いが去来する。なぜ俺にそのことを言わなかったんだろう?とも考えた。
理由も言わず静かにAさんは去って行った。窓から会社の玄関に向かって深々と
頭を垂れるAさんが見えた。
すっかりAさんのことも忘れた師走。社内の大掃除をしていると先輩がAさんの
使っていたデスクの引き出しのレールの所に挟まっていたA4紙を見つけた。
「なんだこれ?」とくしゃくしゃに丸めそうになった紙を横目で見たら手書きの
棋譜だった。「あ、それ、棋譜!」俺は反射的に声が出た。先輩は「キフ?」と
反復する。その棋譜を先輩から貰い、帰宅後、盤駒で棋譜並べをした。
それは、相矢倉のがっぷり四つで、先手が中盤から終盤にさしかかる所まで優勢を築い
ていたが、後手の勝負手以降、形勢が混沌。その後ずるずる先手が後退しあっさり逆転負け
した将棋だった。
一番最後に『最終局』と書かれていた。
△の印の後にはAさんの名前があった。
Aさん、お元気ですか?
24で調子の悪いとき、俺はその棋譜を見てます。
すごい見にくい棋譜だけど、力がもらえるような気がして。
※すんません。このスレ見て思い出したので書き込みました。
文章慣れてないから、変かも。 長文ゴメソ