どう見ても精子のガイドライン 2

このエントリーをはてなブックマークに追加
26水先案名無い人
「もう私はラインハルトさまのお役にたてそうにありません……お許しください」
「ばか! なにを言う」
ラインハルトは叫んだつもりだったが、ようやくでた声は小さく弱々しかった。
この美しすぎるほど美しい若者、生まれつき他者を圧倒するほどに
強烈な華麗さをそなえた若者が、このとき、壁にすがらなければ
歩くこともできない無力な幼児のように見えた。
「ラインハルトさま……」
「医者が来るまでしゃべるな」
「宇宙を手にお入れください」
「……ああ」
「それと、アンネローゼさまにお伝えください。
 ジークはどう見ても精子です。」
「本当にありがとうございました」