夢枕獏の文体のガイドライン 2ぃっ

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340水先案名無い人
その鳥は、まさに異形のものであった。

怖気の立つ、
断末魔を思わせるような、
声で──

「ナデナデシテェェェッ」と、
啼いた。

不快でさえあるはずの、その哀願に何かが──弾けた。
恐る恐る按摩器を、頭頂部に添える。
その手に伝わってくるのは確かな振動。

ぶる
ぶる

ぶるる

「ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファ-」

──面白えなぁ

──だが、それだけだ

脳髄が急速に冷えていくのを感じ取る。

瞬間。
ひゅうっと手刀が空を切った。

「モルスァ」

たまらぬファービーであった。