親愛なる戸田山へ。
鬼昇格おめでとう。お前がこれを読むときは、
おそらく俺はもうそばにいないだろう。
だから、餞別の代わりに聞いて欲しい。
戸田山、いいか、決して誰も恨むな。
俺、思うんだ。鬼に憧れる気持ちも、強くなりたいという気持ちも、
最初は人を守りたいと思う気持ちから生まれたんだって。
悲しいことに、思いは時として力にならず、
魔化魍に怪我を負わされることもあるだろう。
そんなときは、猛士に入ったばかりのころを思い出して欲しい。
傷ついても傷ついても、真っ直ぐにしか自分を鍛えられなかったあのころを。
どうか、戦い続けてくれ、戸田山。
傷つくことを怖れず、真っ直ぐに人を愛して。
お前に出会えて、本当に幸せだった。
斬鬼、永遠に轟鬼の名とともに。