オッスオラ極右のガイドライン

先日、孫と仮面ライダーのビデオを見ていると、とんでもない言葉に耳を疑いました。
この物語では全ての生物は一万年周期に行われる様々な生物の代表同士の紛争によって
その勝者の一族のみが地球上で繁栄を謳歌できるという凄まじい内容なのです。
これはまさしく戦争を肯定し、勝利者の国こそが地球人類の頂点だと主張しているのです。
ダーウィンの進化論を否定してまでの戦争賛美は、とても子供には見せられる内容ではありません。
また登場人物の一人にヒューマンアンデッドという人類の始祖がいます。
彼が一万年前の紛争に勝利した事で地球で人類が繁栄できたという、暴力による勝者こそが
地球を我が物とできるという物語を、否定意見を挟む事もできず強制的に事実として見せる事は
幼児番組に見せかけた…いや、幼児から軍国主義を植えつけていこうとする洗脳番組ではないでしょうか？
そしてそのヒューマンアンデッドは名前の通り何をされても決して死ぬことはない不死の存在として描かれています。
恐ろしい事に、絶対者であり人類の始祖たる彼に日本人俳優を起用し、日本語を喋らせ、
挙句の果てに日本人に彼を「ご先祖さま」と呼ばせるという内容はまさしく人類の始祖が日本人であるという主張、
また日本人の頂点＝天皇は不滅の存在であるという暗喩に他なりません。
幼児番組の名を借りて右翼養成番組を製作するという卑劣さに、私は思わず涙を流してしまいました。

それに加え、主人公の先輩と言う立場の正義の味方は、恐怖心にとり憑かれて戦えなくなると
それを拭い去る植物という、覚醒剤の代替品としか思えない物体を投与されて悪の手先として働いたり
主人公の抹殺を狙う悪の科学者の言葉に信じられないほどあっさり騙されて手先として働いたり
バリアを張っておきながら「スリップストリームだ」などと子供に間違った知識を植えつけたり
バッティングセンターでちっとも玉を打たずに素手で受け止め続けるなどの奇怪な行動に走ったり
留守宅に忍び込んで家主の大好物である牛乳を勝手に飲み尽くしたり
単に歩いているだけの女性怪人にいきなり二人がかりで後ろから襲い掛かった挙句にあっさり負けたり
それを止めに入った後輩に、自分だけ道具を使ってパワーアップした必殺技を放ったにも関わらず弾き返されたり
原子力で動くはずのバイクにガソリンを入れたり、その直後に何故か後輩の首を絞めたり
直属の部下が裏切り者で、そのせいで二人も部下が死んだのに葬式のひとつも出さずに酒をかっくらっていたりと
およそ正義の味方とはかけ離れた存在として描かれているにも関わらず
裁かれることもなくのうのうと生きて（生き返って）いるのです。
これは正義の名の下に行動していればどのような悪でも正義であるという事を示しているのではないでしょうか？
こんな番組を一年間見続けていた孫の将来が心配です。