先日何気なく以前評判が良かったというゲームを買ってみたところ、これがまたとんでもないもので
あり、目を疑うような内容でした。主人公はテロ組織の一員であり、秩序ある社会に対して自分たちの
独りよがりな思想を押し付けるためにためらうことなく無差別破壊テロを行います。一応彼らには彼ら
なりの主張があるのですが、それを実証する科学的な根拠はないに等しく、自分たちの主張を合法的な
方法で広めようとの努力はかけらすらうかがえません。
その上主人公自身はテロ組織に属しながら、別段その組織の大義を信じているわけでもなく金の為な
ら何でもすると公言してはばかりません。これはわが国の戦後民主主義教育が育んで来た、個人主義・
拝金主義を体現しているのではないでしょうか?また主人公の仲間たちにも大いに問題があります。主
人公の幼馴染の少女ですが、胸のサイズが大きいのは個人の発育の問題だとしても、それをわざわざ強
調する恥知らずな衣装はどう考えればいいのでしょうか?「つつしみ」とか「しとやかさ」といった日
本的な徳目を破壊するジェンダーフリーの考え方に毒されており、かつ性を商品化する軽薄な風潮を追
認するものであります。もう一人のヒロインですが、スラムで花を売っていた、つまり売春婦であった
というとんでもない設定です。このソフトは小学生も買う可能性があるというのにこんな過激な描写が
許されるのでしょうか?主人公一派の属するテロ組織のリーダーは頭の悪い黒人です。これはテロを起
こすのは有色人種であるという西洋人の人種的偏見に基づいた設定ではないかと私は大変憤るものです。
また、主人公は薬物中毒者であり、物語の中盤、ヒロインをマウントポジションでぶちのめすという問
題描写もあります。このような人物はしかるべき施設に隔離されているべきであるにもかかわらず、主
人公の仲間たちはこの人物を受け入れ続けるのです。問題のあるカテゴリーの人々との「共生」、「排
除」のない社会という欺瞞的イデオロギーの押し付けに他なりません。
あきらかに原子炉をイメージしたこの世界の発電所はやけに事故を起こします。それ自体が原子力政策
に盲目的に反対する環境グループの主張を垂れ流しにしていることは私が指摘するまでも無く明らかで
しょう。この作品を通じて一貫して物質文明そのものに対する敵意が感じられます。星に落下する隕石
モドキの物体に対し政府機関が科学力の粋を尽くして発射したロケットは効果が無く、それほど賢くも
ない主人公一派が非科学的な魔法でこれに対処する事に成功するという筋書き自体が著しく偏ったもの
です。しかしながら、製作者は文明に対する敵意をむき出しにしながらも結局のところそれを押し通す
事に失敗しているのは痛快です。主人公たちはどこに移動するのにも文明の利器に頼らない限り原則困
難なのです。物語における強力な敵はしばしば武装した人間、ロボット、科学力によって強化された生
物であり、本来自然に生きている生物は強くはないのです。ためしにモンスターではない生物、に対し
てW召還で約260000のダメージを与えてみましたが、明らかに死ぬはずなのに殺せませんでした。
西洋的な倒錯的動物愛護精神が透けて見えてまいります。
国家は今、学校教育の中における偏りだけではなく、このような子供がふれる可能性のあるメディアに
対しても監視の目を強めなくてはならないのではないでしょうか?表現の自由を盾にした破壊活動に対
し断固としてメディア規制を強めることも検討する必要があるのではないかと私は強く思います。
(76歳 神職)