魔王のガイドライン2

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444水先案名無い人
”初冬、息を切らし、歩み行く男あり。
 病に冒されし幼きわが娘を、しっかりと抱えて。”

朋也「どうした汐、なぜ顔を隠すんだ」
汐「パパっ、みえないの まおうがいるよ こわい」
朋也「大丈夫 雪が降ってきただけだ」
魔王「かわいい汐ちゃん、こっちにいらっしゃい。一緒に遊びましょう。
    海辺にはヒトデ、魔王プロデュースのヒトデパンもたくさんあります」
汐「パパ、パパ、 きこえないの まおうがなにかいってる」
朋也「大丈夫 あれは枯れ葉の音だ」
魔王「かわいい汐ちゃん、こっちではいまヒトデ祭り開催中ですっ!
   なんとあの祐介さんのライブ演奏も聴けるんですっ! ラブ・アンド・スパナ!」
汐「パパ パパ みえないの そこに、まおうの(義理の)おにいさんが」
朋也「汐、しっかりしろ汐 あれはただの樹だっ!」
魔王「んーっ、汐ちゃん、とってもいい子ですっ! だから……
   さ ら っ ち ゃ い ま す」
汐「パパ パパ まおうがわたしのてを・……さよなら、パパっ……!」

風子「……というわけで、汐ちゃんは風子の子になりました。じたばたしても無駄です」
朋也「それ、魔王じゃなくて、ただの人さらいだからな」