トークショーにて
「(ヒクソンにスリーパーを掛けられたら)持ち上げて、体重を浴びせて後ろに叩き付ければいい」
「(U系の選手はシウバにタックルを)なんで決めれないの?って思うね」
理想主義者 (ロープワークについて)
対戦相手をロープに飛ばす場合、腕を掴んでロープに押し付け、その反動も使って走らせる。
相手はその流れに添ってリングを走るのだが、ロープを掴んでこらえようと思えばできないことはないし、
実際にそうすることもある。だが、技のかけ手は、力任せに相手の腕を引っ張るわけで、
それに対して無理に踏ん張れば、肩を脱臼するといったリスクを覚悟しなければならない。
理想主義者
打撃系の技を操る選手にとって致命的な欠陥となり得るひとつの要素がある。それは癖である。
一定のフォームで繰り出す打撃は、選手の癖さえつかめばどんな強打としても受けきることはたやすくなる。
パンチやキックを出すときの癖を見破り、身体のどこを狙っているのかがわかれば、
防御する際そこだけをガードしておけばいい。右腹にパンチが来ると分かれば右側に左腹に来ると分かれば左腹に、
ぐっと力を入れて防御の準備を整えることもできる。身体を鍛えているからできる技術とも言えよう。
チャンピオン 三沢光晴外伝
第6章 八百長への反論
ぼくは別にロープを使わなくても試合をすることもできます。
例えばヒクソン・グレイシーのような柔術の選手とも。
ロープブレークが禁止されていて、チョーク・スリーパーを食らうとする。
そしたらヒクソンを持ち上げて、そのまま後ろに落とせばいいんじゃないか。
体を密着したまま落とすとぼくの体重もかかるわけだから、かなりのダメージになるでしょ。
角度によっては頭を打つかもしれないしね。
首を絞められてもすぐには落ちない、その間に膝を抱えて起き上がればいい。
体重さが20キロもあればできるだろう。
そんなことを考えたりしますけどね。
理想主義者
しかしながら、私たちはグラウンド・レスリングを苦手としているわけではない。
ふだんの練習でもグラウンドでのポジションの奪い合い、関節の取り合いはしっかりやっており、
どんな関節技を仕掛けられても対応できるようにしている。
理想主義者
私自身は真剣勝負かどうかを決めるのはやる側ではなく、観る側だと思っている。
いくらこちらが真剣勝負であることを振りかざしたところで、
観ているほうにそれが伝わらなければ、ただの自己満足で終わってしまう。
私たちは日頃の試合で、観客に何かを伝えられるような試合をしているつもりだ。
本書の読者の方は、果たしてどう考えているのだろうか。