栗すます(標準語では「栗すまし」)
青森県の一部地域では 「くりすます」といって
冬至を祝って 栗のおすましをつくって飲む地域がある。
大昔 大時化で北前船がこなくて 冬至用のカボチャや
さとうやみりんが届かず カボチャに似た味の栗を使い
調味料を少なめに すましじたてにしてたべたのが
そのはじまりだとか。
明治時代に北海道で農業指導にあたってたクラーク博士が
クリスマスを祝うというので 青森出身の学生が 日本にも
同じ風習がありますと言って さっそく 栗のおすましを作ってあげた。
氏は生徒の勘違いに苦笑しつつも、文化の違いに思いをはせながら
学生のおもてなし料理をいただいて 楽しいクリスマスを過ごしたそうだ。
(民明書房刊 『日本の食べ物よもやま話』より)