破兄咆(はにほう)
7世紀の中国、とある国に羽殷(はいん)と麗殷(れいん)という双子がいた。二人とも大層器量が良く、容姿端麗、文武両道な兄弟であった。
ある日、兄弟は王の命令で、山賊を討伐することになった。その山賊は、非常にすばしっこく、中々捕らえる事が出来ない強敵であった。
しかし、麗殷にはとある特技を持っていた。それは彼の声質が非常に響きやすいという特性があったことである。
そこで羽殷は、大きな鉄の筒を用意した。その筒に麗殷が大声をあげた。
すると、麗殷の声がたちまち衝撃波となって、山賊の潜んでいた山を粉砕し、山賊を一網打尽にしてしまったのだ。
その後、羽殷はその筒に、破兄咆(はにほう)と名づけた。それは、兄(この書では、麗殷が兄、羽殷が弟になっている)
の咆哮が、破壊をもたらす武器になったという意味である。
破兄咆が後のメガホンの元となったという説が常に学会で論議されていたが、この度、「ふしぎ星の★ふたご姫」というアニメ内で
羽殷・麗殷と良く似た名前を持つ、双子の少女が出ており、さらに、その放送内にレインという少女が「はにほ!」という
叫びを発したことから、やはり、破兄咆が後のメガホンの元となったという説は確実なものになっている。
民明書房刊「双子論・折田奈帝武」より