「君ならば書の真理が理解できると思っていたのだがねぇ…」
「歴史を変えられると思い上がっているのならいつでも掛かって御出でなさい…」
うさんくさい朝の挨拶が、黒の教団地下大聖堂にこだまする。
領主様のお庭に集うサンホラーたちが、今日も書の魔獣のような邪悪な笑顔で、預言書崇拝教団の門をくぐり抜けていく。
汚れきった心身を包むのは、漆黒のローブ。
ローブの裾は乱さないように、三角帽は折らないように、
ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、終焉の洪水ギリギリで走り去るなどといった、はしたない教団員など存在していようはずもない。
Sound Horizon。
90年代後半創立のこの幻想楽団は、もとは幻想物語を歌い語るためにつくられたという、
伝統ある音屋である。
ttp://sound-horizon.net/。同人時代の面影を未だに残している緑の多いこのサイトで、Revo神に見守られ、
SH初心者から儲までの一貫教育が受けられるサンホラーの園。
時代は移り変わり、SHが同人から改まった商業の今日でさえ、
十八時間聴き続ければ温室育ちの純粋培養じまんがーが箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な音楽集団である。