さわやかな朝の挨拶のガイドライン 第四章

このエントリーをはてなブックマークに追加
135水先案名無い人
「あはははははははははは」
「くけけけけけけけけけけ」
さわやかな奇声が、澄みきった青空にこだまする。
雛見沢のダム建設反対に集う村人たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、
建設重機のガソリンタンクに角砂糖を入れていく。
恐れを知らない心身を包むのは、使い込まれた斧、金属バット、五寸釘。
後ろにピッタリくっついているのが分からないように、白いワゴン車のナンバーは見られないように、
ゆっくりと尾行するのがここでのたしなみ。
もちろん、井戸の隠し通路から逃げる際に転落し首の骨を折って即死などといった、
はしたない園崎家当主など存在していようはずもない。
XX県鹿骨市雛見沢村。
元は鬼ヶ淵村と呼ばれるこの村は、人食い鬼が住んでいたという、伝統ある選民思想主義な村である。
XX県下。御三家による支配の面影を未だに残している合掌造りの多いこの地区で、
オヤシロ様に見守られ、鬼隠しから綿流しまで、オヤシロ様の一環崇拝が強制される寒村の園。
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、
3年ほどダム建設に反対すれば、祟りに関連付けた連続怪死事件が迷宮入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な村である。

「ひぐらしのなく頃に」