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>>328) ●マモノ回顧録 第一回 八木とともに
先日、阪神タイガースを引退した八木裕選手と共に入団し、共に引退することになった
甲子園の魔物 、七代目・マモノPL。引退した彼への取材の中から、とっておきの思い
出話をお届けする。
第一回はいわば「甲子園同期生」、今シーズン限りで同じように甲子園を去った、あの
「代打の神様」のエピソード・・・。
「八木はね、いつもスタンドでトレーニングするんですよ。」
下半身強化のため、アルプススタンドの階段を上り下りする八木。その八木の真摯な姿
は、いつもマモノの目に焼き付いていた。
「あの頃の阪神の選手っていったら、もー、ほら、ちんたらちんたらして、ろくにトレー
ニングもしないで新聞記者や川藤さんと喋ってるようなやつがごろごろいてね(苦笑)。
だけど八木は違うんですよ。いつも黙々とスタンドの階段を上り下りする。いいやつだな
って思いましたね。いつか、あいつの張れ舞台が来たら、手を貸してあげたいって。やっ
ぱり真摯なやつには手を貸してあげたくなるじゃないですか。」
その思いはずっと持ってたんだけど・・・そこまで言いかけてマモノは苦笑いする。そう、
あの頃の阪神は常にBクラス・・・マモノの仕事も、阪神に関しては小手先だけで済むよ
うな仕事が多く、忙しいのは年二回の高校野球と、年末の甲子園ボウル(アメフト)。後
は五輪などの海外出張があっただけだったという。