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水先案名無い人:
オシムへ
この手紙をもって僕の監督としての最後の仕事とする。
まず、決定力不足を解明するために、代表FWにシュート練習をお願いしたい。
以下に、戦術についての愚見を述べる。
日本の攻撃力アップを考える際、第一選択はあくまで4バックであるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、サイド攻撃をした時点で意味のないドリブルやバックパスといった手詰まりがしばしば見受けられる。
その場合には、FWと中盤の連携を含む連動性が必要となるが、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの日本代表の飛躍は、海外組以外の国内で活躍する選手の融合にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない監督であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には日本代表の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、FWによるシュートミスがこの世からなくなることを信じている。
ひいては、決定力不足解消のためのシュート練習の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自らサッカー選手として第一線にあった者が決定力の不足を解消できず、素人監督というレッテルを貼られ、辞すことを心より恥じる。
ジーコ・コインブラ