296 :
落雷:
先日、半年ぶりに田舎の実家に帰省したんです。
そしたらね、なんだかいろんなものが生まれ変わっていて、僕はかなしくおもったりして。
まず、思い出の小学校。 跡形も無く駐車場へと生まれ変わり。 落ち込む僕に駐車場が
「前向きに」ですよ。 嗚呼、思い出の幼年期。 思春期。 反抗期。
落ち込む僕に追い討ち。 親父が携帯持ってるんです。 お前、ついこの前まで子機の
扱いすら危うかっただろう。 誰かに騙されたんじゃないかと心配になる。 あと、家の
中で携帯で呼び出すのやめてくれませんか。 平屋のくせに生意気だ。
しかし、年々わが家は近代化が進んでいく。前まで無かった全自動洗濯機がある。
食器洗い機もある。 おかんは随分楽になっただろう。 おぼつかない手つきでボタンを操作する
おかんに、ちょっとかわいいような、不思議な感情を持つ。 近代的なモノに触れる親を見るのは
なんだかヘンな気分だ。 がんばれ、がんばれと思ってしまう。
そんな俺に親父が自慢げに言った。
「おい、見ろよ!うちのテレビ。 最新のイナヅマテレビだぞ。」