【心から】財前教授のガイドライン【恥じる】

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151水先案名無い人
ユリアンへ

この手紙をもって僕の軍人としての最後の仕事とする。
まず、民主政治を保存するために、カイザーラインハルトに議会の創設をお願いしたい。
以下に、政治についての愚見を述べる。
市民の幸福を考える際、第一選択はあくまで民主主義であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には自由惑星同盟の場合がそうであるように、政権が発足した時点で腐敗や暴走をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、クーデターを含まない政権交代が必要となるが、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの民主政治の飛躍は、クーデター以外の政府の選択の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない軍人であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には民主主義の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、圧政による死がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、僕の屍を冷凍保存の後、君の戦争の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自ら軍の第一線にある者が地球教徒の目的を早期発見できず、テロで死すことを心より恥じる。

                                                          ヤン・ウェンリー