日本ブレイク工業のガイドライン Part10

このエントリーをはてなブックマークに追加
835水先案名無い人
(「希望の丘陵」が流れる。画面下に《SONG 萬Z「希望の丘陵」》と表示される)
家具が運び出され、がらんとした古い木造家屋。
その中で、6歳くらいの男の子が無邪気に走りまわっている。
家の外から母親が男の子の名前を呼ぶ。玄関の前で父親が三脚を立てている。
3人が木造家屋の前で記念写真を撮る。
ほどなく、重機を積んだトラックと作業員たちがやってくる。
父親が「おねがいします」と言うと作業員たちは会釈で返事をし、
分担にしたがって、手際よく作業を始める。
その様子を見ながら父親が、回想する。3人での食卓、子どもと入った湯船、柱の傷…。
父親と母親の2人の手を握りながら男の子が言う、「なんかさみしいね」。
トラックにホースを取りに行こうとしていた若い作業員の足が一瞬止まる。
父親がしゃがんで男の子と目線を合わせて言う、「今度の家も楽しい家にしような」。
男の子が純粋な瞳で「うん」と言う。父親は傍らに立つ妻を優しい視線で見上げる。
妻は大きくなったお腹に手を当ててて男の子と夫に微笑む。
それを見届けると、若い作業員は何かを受け止めたかのような顔をして、トラックに走り出す。
現場の作業員たちの顔が次々映し出される。(そして、「日本解体業組合」のロゴ(終))