さわやかな朝の挨拶のガイドライン 第三章

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593水先案名無い人
「史上最強打線の片鱗を見せ付けました!」
「メジャーリーグ相手に五奪三振です!」
しらじらしいアナの挨拶が、澄み切った東京ドームにこだまする。
ナベツネ様のお庭に集うG戦士たちが、今日も無安打な笑顔で、ダグアウトを通り抜けていく。
怪我に泣く身体を包むのは、白いユニフォーム。
バットは空を切るように、重いボールは上空に翻らないように、
あっさりと負けるのがここでのたしなみ。
もちろん、バントと猛打でガリガリ繋ぎまくるというような、はしたない阪神選手など存在していようはずもない。

東京読売巨人軍。
昭和9年創立のこの球団は、もとはニューヨーク・ヤンキースと闘う為に創立されたという、
伝統あるヨミウリ系お坊ちゃま球団である。
東京都下。特に熱心なファンでなくても何しろ人口の多いこの地区で、ジャビットに見守られ、
ドラフトから解説者までの一貫教育が受けられる後楽の園。
時代は移り変わり、ヤンキース松井がドームランを打つといった平成の今日でさえ、
阪神が十八年ぶりにリーグ優勝すれば温室育ちの純粋培養監督が水入りで更迭される、
という仕組みが未だ残っている貴重な球団である。