「おはやあ」
「おはやあ」
たるみきった朝の挨拶が、ジャポネの夜明けにこだまする。
薫風に立つ春風健児たちが、世界に響きながら、校門をくぐり抜けていく。
環七陸橋跨いで眺みながら、京王ビルから空中踵落としするのは、若き思いの熱き群れ。見よ喉仏、紅き頬。
わけのわからないクラブが群雄割拠できるように、部室明け渡しを巡って生徒会と銃撃戦が起きるように
リベラルな校風に守られるのがここでのたしなみ。
もちろん、遅刻ギリギリで大戸島さんごを荷車に乗せたまま、
インターハイ連覇を狙うひのえをぶっちぎるR・田中一郎など、存在していようはずがない。
私立春風高等学校
創立年代不明のこの学園は、
木造旧校舎の一部が鉄筋新校舎に取り込まれたまま残っていたりする、という浅からぬ歴史を持つ高校である。
東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの練馬で、なりはら博士に見守られ、
卒業できなくとも気長に補習をうけていれば自然と卒業証書がもらえる墜落の園。
時代が移り変わり、元号が華族のお嬢様のいた明治から三回も改まった平成の今日でさえ、
三年間通わなくとも立派に影の薄いアンドロイドが生産される、分度器計れよ帳面つけろな学校である。
元ネタ:究極超人あ〜る
>>425 こっちの「田中一郎」だと思われ