さわやかな朝の挨拶のガイドライン　第三章

（ドクン　ドクン　ドクン　ドクン）
「ふああああっ！」
さわやかな主人公のおたけびが、澄みきった青空にこだまする。
高千穂崇美様の周囲に集う仲間たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、
取り返しのつかないトラブルを巻き起こしていく。
汚れを知らない心身を包むのは、学校の制服。
学校を壊して修理を手伝わされないように、科学部を壊して弁償させられないように、
凶暴化は極力避けるのがここでのたしなみ。
もちろん、わざと凶暴化させて暴れさせようなどといった、
はしたない仲間など存在していようはずもない。

日向風生。
高校２年生のこの人物は、もとはプロレス研究会の部長だったという、
伝統ある多重人格系主人公である。
九州地方（多分）。高千穂財閥の影響力を未だに残している悪だくみの多いこの地区で、
崇美に見守られ、凶暴化から少女化までの一貫教育が受けられる変身の園。
時代が移り変わり、日之影麗一が半レギュラーと化してしまった今日でさえ、
鼻血を噴き出せば温室育ちの純粋培養二次変身風生が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だに残っている貴重な人物である。