さわやかな朝の挨拶のガイドライン 第三章

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「出ろー」
「ガッシャン」
乾いたスターティングゲートの開く音が、澄みきった青空にこだまする。
ローカルのGIIIに出走する華奢な競走馬が、今日も道中抑えた走りで、馬群の後方を付いていく。
背にしたジョッキーの心身を包むのは、社台系の勝負服。
馬群に揉まれて走るリズムを乱さないように、早仕掛けして末脚を鈍らせないように、
直線の切れ味に賭けるのがここでのたしなみ。
もちろん、揃って桜花賞を熱発回避するなどといった、はしたない母娘など存在していようはずもない。

ローザネイ系。
平成4年に日本に導入されたこの牝系は、もとはリファールを父に持つ牝馬ローザネイを礎とする、
伝統ある良血牝系である。
北海道早来町。日本有数の規模を誇る生産牧場で、吉田勝己に見守られ、
誕生から馴致・育成までの一貫教育が受けられる競走馬の園。
時代は移り変わり、2005年にはローザネイのひ孫も誕生する予定の今日でさえ、
2年育てば薔薇に因んだ馬名を付けられた純粋培養サラブレッドが主に栗東・橋口厩舎へ入厩する、
という仕組みが未だ残っている貴重な牝系である。

ttp://www.shodo-farm.com/ped/horse.php3?id=100204