さわやかな朝の挨拶のガイドライン　第三章

「う…うえッ　えぐッ　えぐッ」
「ヒック　ヒック　ヒック」
さわやかな昼下がりの嗚咽が、すみきった青空にこだまする。
学校でいじめられた少年が、今日も天使のような無様な泣き顔で、背の高い門を潜り抜けていく。
いじめっこにこれ以上いじめられないように、祖父にかまってもらえるように、
泣きながら帰るのがここでのたしなみ。
もちろん、元気いっぱいで走りながら帰るなどといった、余裕の子供など存在していようはずもない。

隊長の家系.。
じいちゃんのじいちゃんのじいちゃんのじいちゃんから続く
伝統ある傭兵家業である。
隊長の家庭。隊長の出産費用を出すためにコロンビアで死んだ父の遺影を残しているその家で、
祖父に育てられ、生まれてから傭兵になるまでの一環教育が受けられる祖父子家庭。
時代は移り変わり、８代も代替わりした２１世紀の今日でさえ、十八年育てられれば誰に言われ
るわけでもなく好きこのんで二束三文の金のために世界中の鉄火場に出向いて殺し合いをする親不孝物が
出荷されるというシステムが残っている割とそーいうホントに人間のクズの家系である。