「赤の佐藤さんが答えると青が3枚変わって赤の逆転勝利」
「白が飛び込むと赤が1枚青が1枚変わって青の山田さんの勝利」
さわやかな情勢分析が、最終問題直前のスタジオにこだまする。
児玉清様のお庭に集うクイズマニアたちが、今日も事典のような博学な
知識で、倍率の高い予選をくぐり抜けていく。
敗北を知らない回答者を包むのは、四色のブース。他の回答者に
角を取られないように、アタックチャンスは落とさないように、最初からボタンを半分押しているのがここでのたしなみ。
もちろん、わからないのに押して立たされるなどといった、はしたない回答者など存在していようはずもない。
パネルクイズアタック25。
昭和五十年放送開始のこの番組は、もとは「アップダウンクイズ」の人気の要素を参考に生まれたという、
正統派視聴者参加型クイズ番組である。
朝日放送。大阪駅に程近い福島区にあるこの放送局で、児玉清に見守られ、
ある人物の名前から海外旅行挑戦権までの怒涛の出題がうけられるクイズの園。
時代が移り変わり、スポンサーが東リ単独から何度も改まったバブル後の今日でさえ、
二十八年見続ければ温室育ちの純粋培養クイズ王が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だに残っている貴重な番組である。