さわやかな朝の挨拶のガイドライン 第二章

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368水先案名無い人
「私、冬弥君と寝たの…」
「誰からだって、冬弥君取り上げるんだから!」
さわやかなヒロインの台詞が、粉雪が降りてくる空にこだまする。
芸能界とその周辺に集うヒロイン達が、今日も天使のような無垢な笑顔で、
変わらない日常を謳歌していく。
汚れを知らない心身を包むのは、一昔前のアイドル調の衣装。
天然ボケのヒロインがプロデューサーに騙されないように、
憧れの先輩が学園祭で怪我をしないように、
ヒロインを温かく見守るのがここでのたしなみ。
もちろん、好きな人を寝取られた挙げ句主人公を殴るような、
はしたない脇役など存在していようはずもない。

White Album。
1998年発売のこのゲームは、もとはTo Heartへのアンチテーゼとして作られたという、
アイドルを恋人に持ったヘタレな主人公による浮気ゲーである。
東京都下、山形県天童駅の面影を未だに残しているこの地方で、
天才にして変人プロデューサーの緒方英二に見守られ、
ヒロインのライバルからマネージャーまでとの浮気が楽しめる乙女の園。
時代が移り変わり、シナリオライターがLeafから既に去った今日でさえ、
18日間プレイし続ければ温室育ちの純粋培養の原田宇陀児信者が出荷される、
という仕組みが未だに残っている貴重なゲームである。