さわやかな朝の挨拶のガイドライン　第二章

「誇大妄想と思うなら思って下さい　我々は自分たちの知力と体力を信じているんです！」
「この世は荒野だ！　唯一野望を実行に移す者のみがこの荒野を制することが出来るのだ！！」
普通とは思えない決意表明が、東大法学部政治学科ゼミ生の集まる教室にこだまする。
暴力によって日本を支配しようという野望にとりつかれた男たちが、今日も実年齢より遥かに老けた顔で、総計で何千人死んだか分からない抗争を続けていく。
野望と愛情の板ばさみに苦しむ心身を包むのは、ほとんど着替えていない学ラン。暴力団内部抗争を抑えるためにアメリカ軍のヤクザを使ったり、宗教団体が軍隊顔負けの装備をしていたりと、暴力には暴力で答えるのがここでのたしなみ。
もちろん、敵対するヤクザにケツを掘られるといった、はしたない警察署長など存在していようはずもない。


野望の王国。
1977年〜82年に連載されたこの劇画は、美味しんぼの原作者である雁屋哲が手掛け、後に相原コージと竹熊健太郎がこれを元ネタにした漫画を作る、といった伝統ある暴力と謀略満載の劇画である。
神奈川県川崎市。臨海工業地区を持ち競馬の盛んなこの地区で、救世教団に見守られ、
工場爆破事件や競馬場騒乱が立て続けに起こり、暴力団関係者の葬式にタンクローリーやパトカーが突っ込むこともある危険度満載の街。
時代が移り変わり、初刊から26年も経った平成の今日でさえ、
完全版九巻を全部見れば、この世から暴力がなくなることは絶対無い、
と嫌でも思い込まされる貴重な人生の聖書である。


初めての作成ですがどんな感じでしょう。