さわやかな朝の挨拶のガイドライン

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8水先案名無い人
「ジーク・ジオン!」
「ジーク・ジオン!」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきったコロニーにこだまする。
ギレン様の演説に集う国民たちが、今日も天使のような無垢な
笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、深い色の軍服。ザクの隊列は
乱さないように、赤いモノアイは翻らせないように、ゆっくり歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、通常の3倍で走り去るなどといった、はしたない兵士など存在していようはずもない。

ジオン公国。
宇宙世紀69年創立のこの国家は、もとはザビ家の独裁体制のためにつくられたという、
伝統あるスペースノイドの国である。
サイド3。ジオン・ズム・ダイクンの面影を未だに残している緑の多いこの地区で、デギン公に見守られ、
生まれてから戦場で死ぬまでの一環教育がうけられる兵士の園。
時代が移り変わり、年号が西暦から改まった宇宙世紀の今日でさえ、
十八年生き続ければ戦場育ちの純粋培養兵士が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だに残っている貴重な国家である。