さわやかな朝の挨拶のガイドライン

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364水先案名無い人
「楽園を思い描くための魂がほしいんです」
「魂がほしいんです」
ささやかな願いの言葉が、夜空に消えていく。
星明かりの斑を踏んで踊る野生のものたちが、今日も原罪のない無垢の身体で、
人間には危険な深みのおくから飛び出していく。
魂を持たない心身を包むのは、夜にあらわれる灰色の霞。
水面から落ちないように、沼の火を揺らめかせるように、楽しそうに踊るのがここでの振る舞い。
もちろん、賛美歌や祈りが作り出す金鎖や楽園より舞い降りてくる天使の美しさに憧れるなどといった、
はしたない妖精の血を引くものなどいようはずもない。

沼地。
九〇世紀も前に出来たというこの湿地は、何の目的もなくただそこにあるという、
伝統よりも古い神秘たちの住処である。
東アングリア地方。ロンドンの灰色の面影などまだない自然そのものの場所で、
誰にも見守られることもなく、何十世紀も野生のものがありつづける沼地。
時代が移り変わり、新石器時代から産業革命以後の近代となった今日でさえ、
人間に憧れる仲間のために魂を作り出し、温室育ちの野生のものを裸で街に送り込む、
という仕組みが未だに残っている貴重な湿地帯である。

>>318に対抗してみますたw