さわやかな朝の挨拶のガイドライン

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354水先案名無い人
「アキオ───ッ」
「ウーロンだ オレ」
さわやかな社長の注文が、澱みきったガレージにこだまする。
高木社長のお庭に集うアキオが、今日も現役高校生のような無垢な笑顔で、
背の高いシャッターをくぐり抜けていく。
卒業を知らない心身を包むのは、深い色のツナギ。
抜けるトコは思い切り抜くように、入れるトコは新車以上に、
保険は水増しするのがここでのたしなみ。
もちろん、ブラックバードと競り合ってブローするなどといった、
はしたない原田など存在していようはずもない。

ボディーショップSUNDAY。
数年前創立のこのショップは、もとは商売上手な板金コゾーのためにつくられたという、
伝統なきボッタクリ系板金ショップである。
神奈川県下。R32の面影を未だに残しているGT-Rの多いこの地区で、
クルマの神サマに見守られ、廃車寸前から新車同然までの一環修理がうけられる板金の園。
時代が移り変わり、ベイブリッジが完成した平成の今日でさえ、
北見サンが病院まで通い続ければ湾岸育ちの純粋培養悪魔のボディが一ヶ月で修復する、
という仕組みが未だに残っている貴重なショップである。