さわやかな朝の挨拶のガイドライン

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148水先案名無い人
「ふんぐるい むぐるうなふ・・・」
「くとぅるー るるいえ うがふなぐる ふたぐん」
人間の喉からは発声出来ない呪文が陰気な漁港にこだまする。
インスマスに集う深きものどもたちが、今日もインスマス面な笑顔で悪魔の岩礁の門をくぐり抜けてゆく。
汚れきった心身を包むのはぬめぬめとした鱗。
生贄を忘れない様に、邪神の神像を忘れないように、ぴょこぴょこと飛び跳ねて歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、深夜に街から逃げ出すような、はしたない旅行者など存在していようはずもない。

インスマス。
1846年創立のこの教団は、もとは南太平洋のクトゥルー崇拝者のためにつくられたという
伝統ある邪神崇拝教団である。
アメリカ東海岸。 たかだか二千年の歴史しかないキリスト教徒の多いこの地区で、
ダゴンに見守られ、人間から半魚人までの人生がおくれる陰気な港町。
時代が移り変わり、アメリカ人が寿司を食うようになった今日でさえ、
半年住めばルルイエに向けて半魚人が箱入りで出荷されるという仕組みが
未だに残っている、貴重な町である。