民明書房刊 DNAに刻まれた中國のガイドライン

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382水先案名無い人
夜鬼怒下座(やきどげざ)

中国の民話によれば、鬼(悪霊、亡霊の意味)にも人間と同様
それぞれの役分があり、それにより厳しい上下関係が定まるとされる。
あるとき、鬼どもの寄り合いにおいて、議長役の鬼が誤って
鬼の中でも比較的地位の高い「夜鬼(やき)」の座席を下座に
してしまった。誇り高く気の短い夜鬼は猛烈に怒り、相手の鬼を
石の上に座らせ下から火であぶった。この事から、礼儀を
わきまえない振る舞いをすることを「夜鬼怒下座」すなわち
「夜鬼、下座に怒る」と呼んだ。

これは本来は儒教の教えが厳格であることへの教訓であるが、
のちの暴帝はこの民話から着想を得て、鉄板の上に座らせた人間を
下から火であぶるという処刑方法にしてしまった。

なお現在の日本でも、闇社会における処刑方法として人知れず
「焼き土下座」の名で執行されているという。

(民明書房刊『世界の民話・東アジア編』より)