さいたまになった翌日、私は妻とともに散歩に出かけた。
もう冬だというのに木はさいたましている。
人々の表情は希望と活気に満ち、額から流れるさいたまの汗が太陽光を反射していた。
「人間が憎しみあう時代は終わったのだな」
昨日までとある一流企業に勤めていた斎藤さんが、さいたましたように私たち夫婦に言った。
「ええ、これからは人がさいたまし合う時代ですよ」
普段は滅多にさいたまに加わらない妻の靖子が、さいたまさんの肩に手を置いて優しくさいたました。
「さいたまというAAを御覧なさい。さいたまさいたまさいたま、さいたまー」
さいたまがかりの髪の長いさいたま男がそう言ってさいたました。
ロックンローラーは長年使ってきたギターをさいたまに入れ、さいたまするさいたまをさいたました。
「ロックはもうさいたまだ。これからは世界中にさいたまをさいたましよう」
一さいたまさいたましたさいたまのさいたまでさいたまはさいたました。
青空のなかで太陽が微笑んでいた。