共産主義になった翌日のガイドライン

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127水先案名無い人
共産主義になった翌日、私は家族4人で吉野家に出かけた。
その日は150円引きで
店内は大勢の客で満ち、息子も陰毛が生え、とてもおめでたかった。
「人間が憎しみあう時代は終わったのだな」
昨日までとある一流企業に勤めていた斎藤さんが、吉野屋でバイトをしていた。
「ええ、これからは人が人を支え・・・」
妻の靖子が言葉につまった。
目の前を見るとこちらを睨らんでいるメガネでやせ型、いわゆるオタクな男性がいる。
「150円引きごときで家族連れで吉野屋か。おめでてえな。」
と彼はこちらを見つめながらつぶやいた。
私は長年忘れさっていた「恐怖」という名の感情を再び思い出した。
そして、彼は
「大盛りねぎだくギョク」
と小声で頼むと
「店員にマークされるという諸刃の刃」
とまたつぶやいた。

これから、再び暗い歴史が繰り返されるのかも知れないと、この小さな牛丼屋で肩を震わせていた・・・