面接官「特技は田中一郎とありますが?」
学生 「は?」
面接官「田中一郎とは何のことですか?」
学生 「氏名です。」
面接官「え、氏名?」
学生 「はい。親から貰った私の苗字と名前です。氏名と書く欄を間違えたのです。」
面接官「・・・で、その田中一郎は当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
学生 「簡単なので憶えやすいと思います。」
面接官「いや、そういう事を聞いているのではありません。
それにありふれ過ぎてて同じ名前の人が居たりすると紛らわしいですよね。」
学生 「でも、仕方がないです。」
面接官「いや、仕方がないとかそういう問題じゃなくてですね・・・」
学生 「みんなそうやって生まれてくるんですよ。」
面接官「ふざけないでください。それにみんなって誰ですか。だいたい・・・」
学生 「ありふれた名前を持つ人間です。鈴木とか佐藤とか。一番多いのは・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
学生 「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ田中一郎。」
面接官「いいですよ。使って下さい。田中一郎とやらを。それで満足したら帰って下さい。」
学生 「運が良かったな。それは偽名だ。」
面接官「帰れよ。」
面接官「特技は炊飯とありますが?」
学生 「ご飯を食べないとお腹がすくじゃないか」
面接官「この名前欄のR・田中一郎とは何のことですか?」
学生 「やあ、あ〜る君だよ。」
面接官「え、あ〜る君?」
学生 「正確にはR28号っていうんだよ。成原博士が開発した28番目のアンドロイドで、世界制服用らしいよ」
面接官「・・・で、そのロボットが当社で働くことによって何のメリットがあるんですか?」
学生 「ロボットじゃないよ、あ・ん・ど・ろ・い・ど。」
面接官「いや、似たようなモンでしょ。それに人に世界征服するのは犯罪ですよね。」
学生 「でも、世界中に制服を普及させるんですよ。」
面接官「いや、征服を普及って訳わかんないですよ・・・」
学生 「学会にも復讐出来るんですよ。」
面接官「ふざけないでください。会話がぜんぜん噛み合ってませんよ。だいたい・・・」
学生 「差し当たっては『とうだい』を目指すのだそうです。しかし『とうだい』は狭き門で見果てぬ夢でした・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
学生 「あれあれ?帰らせていいんですか?使いますよ。外道照真霊波光線。」
面接官「いいですよ。使って下さい。外道照真霊波光線でも、赤外線でも。それで満足したら帰って下さい。」
学生 「(ピピピピピ ボッ)こりわびっくり。赤外線ではなく・・・れえざあ光線がでました。」
面接官「帰れよ。」