『ヒカルの碁』連載終了のガイドライン

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65水先案名無い人
●○最終回の不満要素●○
このスレにいる人は、最終回に何らかの想いがあるからいると思いますが。
具体的に最終回の不満を挙げるとすると、これまでのスレの流れを読む限り、
概ね2つに集約されるかと思います。

 【A問題】 :なんで最終回なのにヒカルが負けるんだよ!
 【B問題】 :最終回が尻切れトンボじゃないか!!

この2つの疑問点を解こうとすると、まず誰もが最初に思いつく推測は、

『本当はヒカルが最終回で勝つハズだったのに、何らかのトラブルで、
 無理やり最終回を差し替えたため、時間とページが足らなくなり、
 ああいう終わり方になってしまった』

かと思います。
ただ、この説は、棋譜論議をふまえると、ありえない計算になります。
ヒカルが負ける棋譜は、3月中旬の号で、既に出てしまっているからです。
(ここら辺の説明は、棋譜論議に慣れていない方だと、意味がとりづらいかもしれません)

昨日の繰り返しになりますが、堀田さんは今までの作品中、
特殊な状況を除き、棋譜改変をした前例がほとんどありません。

棋譜改変は、碁を知らない自分のような人間にとっては、
至極簡単なことに思えますが、囲碁板の方の説明によると、
プロ戦の棋譜を改変することは、かなり難しい作業を要するものだそうです。
なにせ、改変したところから、プロレベルで打っていくことが要求されますので。
棋譜改変という非常に大変な作業をするぐらいならば、
はじめから黒なり白なり、目的のキャラが勝つ棋譜を、棋院に依頼すればいいわけです。
そして、実際、今までそのようにして、ヒカルの碁は制作されてきました。
66水先案名無い人:03/05/14 19:02 ID:+722sfyE
●○A問題とB問題の分けについて●○

184局の棋譜で、ヒカルの負けは確定していました。

ヒカルは最終回で勝つハズだったが、それを最終回(もしくは最終回の前の話)で書き換えた
という可能性は、限りなく低いことがわかります。
(ちなみに、ハイライトで見難くぼかしてはありましたが、ラスト1話前の188局目に、既に、
終局の盤面が描かれていました。なので、「最終回で勝敗を改変した可能性」に限って言えばゼロです)

184局から最終回の189局までは、6話。

負けるシナリオで、最終回をまとめるには充分な話数です。
(その間、いくらでも、はしょれる部分はありました)
つまり、【A問題】と【B問題】は、直接的な因果関係は無い、と考えたほうが無難です。
(直接的な因果関係はなくとも、間接的な因果関係の可能性は、もちろん非常にあります)

というわけで、疑問点の残る最終回問題については、
A問題とB問題を、別個にわけて検証していく必要があるように感じます。
67水先案名無い人:03/05/14 19:03 ID:+722sfyE
●○A問題:ヒカルの負け確定時期●○
ヒカルの負け棋譜が発表されたのは、前述のとおり184話(3月18日発売号)。
堀田さんのネームの日々の通りだとすると、
184話のネームが作られたのは、1月中旬。
目的の用途に合うような棋譜を、棋院に依頼をする時間を考慮すると、
年末年始の前には、既にヒカルの負けは、堀田さんの構想の中にあったことになります。

つまり、「何らかの事情」によって、ヒカルの負けが左右されたと考えるならば、
その原因(これは諸説によって色々異なると思いますが)を探るためには、
昨年中(最低でも今年の3月18日以前)に遡る必要があるわけです。

ここまでの内容は、古い住人にとっては、かなり既出の情報です。

そのため、このスレでよくあるパターンとしては、
「圧力説を否定する気はない」「圧力説の可能性も勿論あると思う」
と主張する住人が多いにも関わらず、

『最終回が急転直下なのは、急遽、無理やり書きかえれたから。本当は勝つハズだった』
『堀田さんは、4月に入るまで勝敗の行方をどうするか悩んていたので、最終回が(ry』
という類の書きこみに対しては、

「それは違うと思う」「んなわけあるかい」と突っ込みが入るわけです。

そして、棋譜論争の経緯を知らない新住人の方にとってみれば、
そう突っ込まれる理由がわからないのは至極当然のことで、
その結果、「圧力説そのものを全否定されている」ように受け取ってしまい、
無用な混乱が起こっているように感じられます。
68水先案名無い人:03/05/14 19:04 ID:+722sfyE
●○古くからのスレ住人の特性●○
ちょっと、ここで脱線しますが。
終了前にあったスレについて、簡単に紹介しておきます。
検証や新情報を追い求めるスレにはありがちですが、
古いスレは、あまり親切なスレではなく、既出の質問に対しては、
詳しい説明はなされず「過去ログ読めや」程度の助言?がされるのみ。

そして、既出の議論については、周知のこととして「検証結果のみ」を述べることが多く、
そのため、前述のような、あまり親切とは言えない突っ込みが多くなりがちです。
(これは、自分が感じた感想なので、他の方はまた別の印象を持っているかと思います)

また、ジャンプ系のスレにも掛け持ちしていた人間は、そちらの特殊用語等も使用するため、
「何か特殊な事情があって終わった可能性はあるっつてんだろ。だた終了の仕方が円満だっただけで」
に代表されるような、普通の人間にとっては、意味が取りづらい理解不能な会話もなされるわけです。

新しい住人から見ると、
・意見を述べる →その説は変だと突っ込みが入る →何処が変だと問い返しても返答無し
→突っ込みをしているのは「たちの悪い煽り」に違いない

古い住人から見ると、
・過去で検証された内容をふまえた意見ではない
→意見を述べているのは「終了の噂を聞きつけてやってきた祭り好き」に違いない

という、相互で誤解しあって、無駄なループが繰り返されているように感じます。

なので、多少なりとも誤解を解き、住人同士の意思疎通を円滑にするために、
終了前の検証結果について、簡単に要点のみ紹介してみようと思い立ったのですが、
…なんか、えらく長文になってしまい、反省中。
69水先案名無い人:03/05/15 23:32 ID:asMrueiA
●○ヒカルのジャンプ主人公らしくない特徴●○

なぜ、ヒカルは負けたのか? 負けなければならなかったのか? 負ける必要があったのか?

高永夏との最終戦に限らず、中国戦の敗北、森下師匠戦での敗北の際、
このテーマでの議論は、よく行われました。

その議論の一貫で、ヒカルのこれまでの戦歴を検証していくうち、
一つの法則があることがわかり、それが、その後の論議の話題の中心となりました。
この法則は、通称「リアル路線」と呼ばれ、2部後半では、スレの話題の一つとして、
長い期間いろいろと、ああだこうだと議論されました。

この法則について、手短に説明する技量がないため、例え話しにして紹介します。

まず、ヒカルの碁を、ドラクエ等のRPGゲームだと考えてください。
ヒカルの碁の主要登場人物は、レベル99の賢者サイと、レベル1の見習い勇者ヒカル。
レベル99のサイは言うまでもなく、無敵のオールマイティ。

そして、見習い勇者ヒカルは、物語スタート時こそ、レベル1のへっぽこですが、
ジャンプの主人公らしく「激高な成長率」を備えていました。
和谷等の通常キャラが、レベル5,6,7と少しずつ成長していくのと異なり、
ヒカルは驚異的なスピードで、レベルを1→3→5と掛けあがっていきます。
70水先案名無い人:03/05/15 23:33 ID:asMrueiA
上の設定だけだと、非常に2人ともジャンプ漫画らしい設定なのですが。

ヒカルには、一つ、ジャンプ主人公らしくない特性がありました。

それは、「自分よりレベルの高い敵には勝てない」というもの。

ヒカルがレベル5であれば、同じレベル5付近の敵(同等)と、レベル1〜4の雑魚敵(格下)なら倒せます。

しかし通常のジャンプ主人公のように(ミラクル必殺技等をかまして)、レベル10の敵(格上)を倒す
といったことが、ヒカルにはないのです。

ヒカルがレベル5であれば、倒せるのはレベル5以下の敵。
ヒカルがレベル10になれば、倒せるのはレベル10以下の敵。
そういう法則です。

稀に、自分よりもレベルが高いキャラに勝利できることもありますが、
その場合は、必ず敵側にマイナス要因(スランプ中、動揺している、アクシデント発生等)が、
あらかじめ付加されています(伏線)。

そして、マイナス要因と書くと若い人に怒られそうなのでわけますが、
「相手のキャラがヒカルよりも年下」の場合だけ、
ヒカルにボーナスが付き、ややヒカルが不利でも勝てることがあります。

と、初めてこの話しを聞いた方は、ここまで読んで「本当か?」と懐疑的になられる方も多いと思いますので、
次にこれまでの、ヒカルの自力戦(サイが代わりに打ったものを除く)の結果をまとめてみました。
71水先案名無い人:03/05/15 23:34 ID:asMrueiA
●○ヒカル自力戦の戦跡 第1部佐為編●○

○は勝利、●は敗北を意味します。
▼は、敵側に付加されたマイナス要因(伏線)です。
格上・同等・格下表記は、戦った時点での物語の中でのレベルの相対関係です。
キャラの台詞や、近日の対戦成績等や、自分の印象から記述しています。
あきらかにその格付けは違うだろと思うのがあったら、修正よろ。
雑魚戦は、取りこぼしがあるやも。

01. ●格上:雑魚中の三将(小6の中学囲碁大会初戦)10局
02. ○同等:雑魚中の三将(中1の中学囲碁大会初戦)25局
03. ●格上:塔矢(中学囲碁大会で塔矢戦に途中から自力参入)28局
04. ●格上:じいちゃん(碁盤買ってくれ戦)38局
05. ●格上:岸本(海王の大将とばったり会った戦)39局
06. ○格下:筒井(三面碁の一つ)43局
07. ○同等:三谷(三面碁の一つ)43局
08. ●格上:加賀(三面碁の一つ)43局
09. ○格上:和谷(▼ゼルダネタで和谷がヨソゴト動揺)56局
10. ●格上:村上プロ(若獅子戦)58局
11. ●同等:椿(プロ試験予選1回戦)65局
12. ●同等:名無し(予選2回戦)66局
13. ○同等:フク(予選3回戦▼年下)67局
14. ○格下:1組下位の子(予選4回戦)68局
15. ○格上:スヨン(韓国碁会所戦▼スランプ中▼年下)76局
※プロ試験本戦は24勝3敗(ここでは主要キャラ戦のみ記載)
16. ○格上:伊角(12回戦▼動揺によるあて間違い)82局
17. ○同等:和谷(26回戦・個人的にはヒカル自力戦の中では最好カード)91局
18. ○同等:越智(27回戦▼年下)格上とするか微妙…96局
19. ●格上:倉田(一色碁)120局
20. ○格下:周平(広島のアマチュア)128局
21. ●格上:塔矢(1部最終戦)148局
72水先案名無い人:03/05/15 23:41 ID:asMrueiA
●○ヒカル自力戦の戦跡 第2部北斗杯編●○

章代わりでボーナスレベルアップ。
低段者に敵無し状態(最強初段)に、急成長してのスタートのため、
あきらかな雑魚キャラ(無名低段者)は、格下表記としています。

22. ○格下:川崎三段(本因坊戦の一次予選三回戦)149局
23. ○格下:おばさん(こんな強い子が…の人)150局
24. ○格下:おじさん(本因坊戦の一次予選決勝)151局
25. ○格上:御器曽七段(▼ゴキソだし)152局
26. ○格下:門脇(同等か悩んだが、やはり1年先輩なので)157局
27. ○格下:本田(〃)158局
28. ●格上:森下九段(師弟対決・本因坊戦2次予選2回戦)161局
29. ○格下:柴田ニ段(北斗杯予選1回戦)164局
30. ○同等:社初段(北斗杯予選2回戦)格下とするか微妙…166局
31. ●格上:塔矢(合宿2日目・早碁にあらず)173局
32. ●格上:王世振(中国副将)181局
33. ●格上:高永夏(韓国大将)189局
73水先案名無い人:03/05/15 23:42 ID:asMrueiA
●○リアル要素とファンタジー要素●○

一覧をご覧いただくと感じるように、
ヒカルの自力戦の勝敗は、非常に現実的(リアル路線)です。
戦歴だけを見ると、少年漫画の主人公とは、とても思えません。

ただ、ヒカルの碁は、ヒカルだけでなくサイがもう一人の主人公として存在していました。
つまり、
 ・サイの存在 :ファンタジー要素(鮮やかに勝って物語に華と爽快感を与える)
 ・ヒカルの激高な成長率 :ジャンプ主人公的な要素
 ・ヒカルの勝敗 :リアル要素(ストーリーに深みと現実性を与える)
の3つが、上手くブレンドされ、絶妙なバランスをとっていたわけです。

それが、2部に入り、一つの軸であったファンタジー要素(サイ)が消滅したことにより、
今まで、読者が特に気にしていなかった、ヒカルのリアル要素が浮き彫りになり、
古いスレの中でも、クローズアップされて取り上げられるようになりました。
74水先案名無い人:03/05/15 23:42 ID:asMrueiA
●○ヒカルが最終戦で負けた理由について●○

というわけで、やたら前置きが長くなりましたが。
北斗杯のヒカルの勝敗については、このリアル路線を堀田さんが頑なに貫いた結果ではないか
との論が、古いスレでは、展開されていました。
(実際、棋譜が出る前から、リアル路線を貫き、今回は負けるのではないかとの
シビアな推論もスレ内では、囁かれていました)

この論議をふまえて、ヒカルの負けた理由を考えた場合、3つの層に大別することができます。

(ア)ヒカルが負けたのは、堀田さんがリアル路線を最後まで貫き通したせいだと思っている。
  そして、その姿勢を評価している。

(イ)ヒカルが負けたのは、堀田さんがリアル路線を最後まで貫き通したせいだと思っている。
  そして、その姿勢に非常に不満を抱いている。

(ウ)(通常では負けるところだが)高永夏戦に限っては、最終戦であり、サイ絡みの特別な戦いなので、
  本来は、サイに関する特殊まシナリオ(これは人によって様々な説があります)があり、
  それによって勝利となるはずだった。棋譜についても、逆転の道筋があった。
  (sai行洋戦でヒカルが指摘したような、中国戦の講評で高永夏が指摘したような手)
  そして、普段は棋譜改変をせずに、リアル碁会に詳しい人には勝敗がバレバレとなってしまっていたが、
  今回は重要な最終戦なので、あえて読者の裏を書いて、棋譜をいじって勝たせるつもりだった。
  ところが、「何らかのアクシデント」により、そのシナリオが使用できなくなってしまった。
  そのため、仕方が無く、負けた展開でストーリーを閉めた…と思っている。
75水先案名無い人:03/05/15 23:43 ID:asMrueiA
そして、(ア)の層の方は、そうした経緯をふまえて
「堀田さんが熟考した末のシナリオだから受け入れませんか。あれはヒカルの碁らしい展開だったと思いますが」
「おまえら糞スレ立てて、ヒカルの碁を貶してんじゃねえよ」
といった主張をされる傾向があるように感じます。

また、(イ)の層の方は、
「サイがいなくなった後のストーリー展開に、堀田さんが行き詰まりを感じていたのかもしれませんね」
「結局は作者の力不足。蛇足な2部で、名作の1部を台無しにしてしまったな。」
のような主張をされる傾向があるように感じます。

そして、(ウ)の層の方(で古いスレでのリアル路線検証を御存知無い方)は、
(ア)のような書きこみを、自由な論議を封じるための書きこみのようにとらえ、
(イ)のような書きこみを、根拠無しに作者を批判しているようにとらえ、
そして、そうした行き違いから喧嘩の火種となっているように感じます。
(もちろん、二×堂氏のような、根拠ゼロな誹謗中傷を垂れ流す輩もいますが)


と、長くなりましたが、古いスレで検証の中心となった「リアル路線」論争についてまとめてみました。
長い議論をはしょったので、説明不足・記憶違い・意味の取り違えなところもあるかと思います。
その辺りは、当時を御存知の方、修正してくだされば幸いです。

そして、Bの最終回が尻切れトンボについてまでは、またたどり着けず。
長々と失礼しました。