○○って難しいのガイドライン３

この前人体錬成したんですよ、初めてね。
で、不幸の中で死んでしまった母さんを生き返らせようとしたわけですわ。
正直最初は人体の錬成って簡単だと思ってたのよ。
オヤジのようなクソ錬金術師だって普通に情報交換してるようなことだからさ。
あのね、俺が間違ってた。あれは人がやるもんじゃない。世界だね
世界とひとつになったものだけがやるものだよ。
錬成を開始する時さ、めちゃめちゃびびって弟の顔をそろ〜って見て
アニキだからってぐっとうなづいて錬成陣にそろ〜っと手をついたのよ
１０秒くらいかけてさ。でなんか怖くなって手、離しちゃったのさ。
そしたら弟がさ「母さんが恋しくないの」って目をしたのさ。
同じ過ちは２度繰り返さないのが俺よ。
だから錬成開始したさ。えぇ、そりゃもう錬成しましたとも。全てを忘れて錬成したよ。
師匠に禁じられているとか、国法でも禁じられているとか、母さん自身どう思うのかとか色々忘れてね。
だって俺も弟ももう一度母さんに会いたかったからね。
そしてらえらい事になった。
もうすごいやばい。すごい身体の持っていかれかた。俺は左足、弟は全部。
おまけに錬成した母さんは人間じゃない。
そんで身体もって行かれる途中の弟がすごい勢いで兄さんって呼んでんの。ホントごめんなさい。
正直「男なら人体錬成だぜ！」なんて見栄張らないで素直に喪に服しときゃよかったと思ったよ。
心の底から弟をなくしかけていることに絶望しそうになったね。
で、世界のやつに「返せよ、弟なんだよ。足だろうが、両腕だろうが」とか言っちゃてんの。
ホント俺ってダメ錬金術師。
でも弟の魂は取り返したからな。