吉牛　Part13【もう見てらんない】

昨日、ベーカー街に居たんです。221B。
そしたらなんか部屋がめちゃめちゃ散らかってて座るどころじゃないんです。
で、よく見たらなんかホームズが注射器持ってて、コカイン7％溶液、とか入ってるんです。
もうね、あほかと。ばかかと。
お前な、コカイン7％溶液如きで普段してない静脈注射してんじゃねーよ、ぼけが。
コカインだよ、コカイン。
なんか今の時代じゃコカも合法だし。国あげてコカ中か。おめでたくない。
よーしもう一本打っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前な、事件起こしてやるからそのコカインよこせと。
コカインってのはな、恐ろしい悪魔の薬なんだよ。
長期間にわたって摂取し続ければいつ死んでもおかしくない、
死ぬか発狂か、そんなことになっちまうんだよ。頼むから、今すぐやめろ。
で、やっとコカイン打ち終わったかと思ったら、ホームズが、僕の精神は停滞を嫌うんだ、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、そんな言い訳なんてきょうび流行んないんだよ。ぼけが。
得意げな顔して何が、僕の精神は停滞を嫌うんだ、だ。
お前の精神は本当に停滞しているのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
お前、コカ中なだけちゃうんかと。
医者の私から言わせてもらえば今、私がすべきことはやっぱり、
説得する、これだね。
真剣に説得してコカ断ちさせる。これが医者としての私の使命。
説得ってのは相手を思う気持ちが多めに入ってる。そしてやさしさも多め。これ。
で、それに真摯な気持ち。これ最強。
しかしホームズ相手だと論破されてしまって説得どころではなくなってしまうので、全く意味無し。
誰にもお薦めできない。
まあお前みたいなダメ探偵は、後の私の結婚に「おめでとうとは言えないね」とでも言ってなさいってこった。