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水先案名無い人:
ドンパッチの赤い雨 投稿者: 投稿日:05月01日(土)00時51分10秒
やはりオレたちが小3のころの事件だ。
当時『ドンパッチ』というお菓子が流行した。
名前は覚えて無くてもみんな一度は食べたことがあるだろう。それは一応キャンデ
ィーということになっていたが、実際はパサパサ、ポロポロとした粉だった。口に入
れるとツバで溶けてパチパチはじける炭酸粉。
そのパチパチぶりは激しく、たくさん食べると痛みすら覚える。
はじめはその刺激を楽しんでいたオレたちだったが、そのうち物足りなくなった。
刺激を失った遊びは男の牙を失わせる。もっと刺激を。
マサがドンパッチを鼻に入れてみよう。と言い出した。
自分の鼻の穴にドンパッチをどんどんつめこむ。右の鼻がいっぱいになったらしく、
左の鼻にも入れた。 そうとう刺激に飢えていたらしい。
とたんにマサの様子がおかしくなった。痛い痛いともがいている。オレたちは笑っ
た。
アホだこいつ。
マサの苦しみようがだんだん激しくなってくる。
水で洗ってくるというマサをオレたちは止めた。水に溶けて、もっとパチパチする
からだ。しかたなく指でドンパッチをほじるマサ。が、鼻から抜いた指は血で赤く染
まっていた。
70 :
水先案名無い人:03/02/01 19:27 ID:czlojhnS
ドンパッチの破壊力はすさまじかった。鼻をぶち破ってんじゃないかと思うほどだ。
鼻血で溶けてさらにパチパチするドンパッチ。
マサの痛がりようはもはや尋常ではない。どうしていいかわからないオレたちは、
とりあえずマサを保健室につれていった。
『また、あんたたちか今日はどうし・・・』
両方の鼻の穴からパチパチと線香花火のように 血を吹き出すマサを見て保健の先
生が凍りついた。
『なにしたの!あんたたち!』
いつもは優しい先生が怒っている。 シュンとなるオレたち。
『・・鼻にドンパッチをつめました・・』
オレたちはまぬけな答えを真面目にかえした。マサは鼻うがいをしてる。
『だれがこんなひどいことしたの!』
『・・マサ君です・・』
誰に怒っていいか困る先生。マサがアホすぎたのだ。オレたちは悪くない。
どうやら怒られないですみそうだ。
甘かった。オレたちは学校にオヤツを持ってきた悪い子として、放課後、反省文を
書かされていた。
世の中の不条理を子供心に感じ、むかついた。
オレはマサの反省文をのぞいてみた。
『ボクがドンパッチを鼻につめたせいで、みんなに
迷惑をかけました。保健の先生にも迷惑をかけま
した。なんでも鼻につめるのは悪いことだとおも
いました・・・』
オレにはマサがなにを反省しているのかわからなかった。
余談だが数年前ドンパッチは復活していたのだ。
だが、パチパチ度はひかえめになっていて物足りなかった。
そのうち見なくなった。残念。