「2ちゃんねる復活!!」
まさか! ボクははやる気持ちを抑え、目的のアドレスへと飛んだ。
あの夏から一体どれくらいの時間が流れたんだろう。
もう二度と蘇ることはないと思っていたあの時間。
・・・あった! 本当にあった! 万歳!2ちゃんねるが復活したんだ!
ボクは迷うことなくニュース速報版へと駆け込んだ。そう、あの時ボクが
一番好きだった板へ。またみんなに・・・みんなに会えるんだ!
だが、その思いは一瞬にして打ち砕かれた。そこに立ち並んでいたのは
醜悪なスレの数々。
「韓国の皆さん!仲良くしましょうpart22(128)」
「田島陽子先生がんばって!(255)」
「ゴローちゃん復帰を応援するスレ part51(232)」
そう、新生2ちゃんねるは、日本一の超健全サイトへと生まれ変わってい
たんだ。経営陣も一新され、ひろゆきも今では普通のサラリーマンとして
暮らしているらしい。
2ちゃんねるの名の元に交わされる退屈な話題と馴れ合いの言葉。
そこには思い出の欠片さえ残ってはいなかった。
理由なんてなかった。ボクは抑えていた気持ちを吐き出すように書き込んだ。
「逝ってよし!」
「オマエモナー」
「(゚Д゚)ハァ? 」
周りの反応は冷ややかだった。浴びせられる冷笑と罵倒。
誰にも理解されないまま、ボクはその場所を立ち去るしかなかった。
もう、ボクの居場所はどこにもないのかもしれない。
長い冬は、まだ始まったばかりだった・・・。