645 :
水先案名無い人:
この前おばあちゃんのお見舞い行ったんですよ、病院の集中治療室にね。
で、初めて衰弱したおばあちゃんを見たわけですわ。正直最初は見舞いって簡単だと
思ってたのよ。親とかもそんなに深刻そうじゃなかったし。
あのね、俺が間違ってた。あれは人が治せるもんじゃない。神だね、神が運命を握っているよ。
最初に病室入った時さ、めちゃめちゃびびってそろ〜って病室入ってそろ〜っとばあちゃんに近寄ったのよ。
10秒くらいかけてさ。でなんか最新の医療機器がひしめいていて怖くなって黙ってしまったのさ。
そしたら医者がさ「呼びかけてあげてください」とか言うの。
同じ過ちは2度繰り返さないのが俺よ。
だから呼びかけたさ。えぇ、そりゃもう呼びかけましたとも。全てを忘れて呼んだよ。あちこちに管が刺されたりとか
俺の知らないうちに細くなってた手とかしばらく見ないうちにこけた顔とか色々忘れてね。
だって医者がが呼びかけてって言ったからね。
そしてらエライ事になった。
もうすごい苦しみよう。すごい苦しそうな顔。素人の俺が見てもわかるくらい。ドラクエならベホマかけてやりたいくらい。
そんなばあちゃんを俺は直視できず、目をそらしたの。泣きそうになって。
それで横見たら親がすごい勢いで泣きそうになってんの、滅多に泣かない俺が涙流してるのをみて。ホントごめんなさい。
正直「親とかばあちゃんとかうぜえよ!」なんて見栄張らないで素直にもっといろんな話すりゃよかったと思ったよ。
大学に入って一人暮らしを始めたとき、親からの電話ではなんともなかったのにおばあちゃんから電話かかってきた
ときは電話切った後泣いたこととか、去年の夏休み老人ホームへばあちゃんに会いに行ったとき、帰ろうとする俺を
エレベーターのところまで送ってきてくれて、エレベーターのドアがしまりかけたときのばあちゃんの寂しそうな顔
とか、初めて買ったバイクを見せたとき「いいバイク買ったな」って言ってくれた時とかいろいろ思い出したね。
病院でて親と帰るとき、そんなことを思い出すと次から次に涙がでてきちゃって運転がおぼつかないの。
ホント俺ってダメ人間。
お年よりは大切にしてあげてください