77 :
水先案名無い人:
月末になるとマーシーは薄い給料袋の封も切らずに
必ず横町の角にある風俗へとび込んでゆくのだった
仲間はそんな彼をみてみんな風俗が趣味のしみったれた奴だと
飲んだ勢いで嘲笑ってもマーシーはニタニタ笑うばかり
僕だけが知っているのだ彼はここへ来る前にたった一度だけ
たった一度だけ哀しい誤ちを犯してしまったのだ
仕事帰りの雨の風呂場の人影に
心のブレーキが間にあわなかった彼はその日とても疲れてた
変態!あんたを許さないと彼をののしった
被害者のオヤジの罵声の足元で
彼はひたすら大声で泣き乍ら
ただ頭を床にこすりつけるだけだった
それから彼は人が変わった何もかも
忘れて働いて働いて
償いきれるはずもないがせめてもと
毎月ノゾキ物を仕送りをしている
78 :
水先案名無い人:02/02/24 09:36 ID:3Boly9YY
今日マーシーが僕の部屋へ泣き乍ら走り込んで来た
しゃくりあげ乍ら彼は一通の手紙を抱きしめていた
それは事件から数えてようやく七年目に初めて
あのオヤジから初めて彼宛に届いた便り
「しつけーんだよ、いいかげん逝って良し
だからせめてノゾキはやめろゴルァ てめーの文字を見る度に
あの夜を思い出して失笑じゃボケ おめーの性癖はわかるけど
それよりいっそもうおまえ自身の人生を2CHでネタにしてろ厨房」
手紙の中身はどうでもよかったそれよりも
償いきれるはずもないあの人から
返事が来たのがありがたくてありがたくて ありがたくて ありがたくて ありがたくて
神様って思わず僕は叫んでいた
彼は晒されたと思っていいのですか
来月も風俗へ通うはずの
アレな人を晒してくれてありがとう
人間って哀しいねだってみんなやさしい
それが傷つけあってかばいあって
何だか含み笑いの声がとまらなくて とまらなくて とまらなくて とまらなくて