「諸君 私は〜が好きだ」をはって

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9水先案名無い人
「諸君、私はシューティングが好きだ」
「諸君、私はシューティングが好きだ」
「諸君、私はシューティングが大好きだ」
「機械知性体による大虐殺への最後の抵抗戦が好きだ、バイドとの近親憎悪にも似た果てしない防衛戦が好きだ、
アダムとイブの新たなる新天地への突破戦が好きだ、最後の希望を託して荒野を飛ぶ男の打撃戦が好きだ、
自らが生み出した機械化軍団との決死戦が好きだ、他力本願なお願いで行われる悪の殲滅戦が好きだ、
宇宙海賊に殺された我が同朋の為の復讐戦が好きだ、絶望の世界からたった一機で反逆飛翔する自由のための総力戦が好きだ」
「冥王星カイパーベルト宙域で、空間歪曲された異層次元で、夢見た新たなる緑の惑星で、赤く乾いた砂塵の荒野で、
映える茜雲の空の向こうで、市松模様の野を駆けるファンタジー世界で、敵本拠地巨大要塞で、青い目の猫が棲むネメシスの彼方で」
「この世界に作り出されたありとあらゆるシューティングゲームが大好きだ」

「戦列を並べたザコどもが吐き出す敵弾をギリギリの位置でかわし、痙攣したように上下左右に揺すられる機体から飛び散るカスリの飛沫が好きだ」
「まさに神が降臨したかのような超絶の避け、発狂した漆黒の機体から轟音を上げて射出されるワインダー弾をカ・カ・カ・カと避ける時など心躍る」
「極まったソードプレイの素晴らしさをギャラリーとして堪能できる時間が好きだ」
「ゴーファーやゼロスフォースの断末魔の叫びを聞き、最強無比の鬼畜兵器との極限の戦いの果てに見た紅の弾幕の避け、それは胸がすくような気持ちだった」
「コンボボーナスを途切れることなく繋げ、ザコ敵の戦列を最強装備で蹂躙するのが好きだ」
「戦い終わった果てで宇宙空間にただよう赤い機体の残骸、反逆したはずの機械知性体の真意を最後に宛てられた『Last Letter』で知った時、流す涙とともに感動すら覚える」
「ラストの脱出シークエンスで、助けだした仲間が己を助けるために力尽き爆発に巻き込まれていく姿などはもうたまらない」
「蝶のような羽根を持った最後の守護神が自機を掴み、何度も何度も投げ捨てる仕草は最高だ」
「ある秘密実験の失敗から億年の時を越え惑星生命体にまで進化し、今ようやく故郷へ還ってきた兄を木っ端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える」
「ただ堅いだけの不条理なボスに無茶苦茶にされるのが好きだ。復活不可能な場面でポカミスしてしまい、スコア下に列をなして並んでいた残機が次々に消えていく様は、
とてもとても悲しいものだ」
「圧倒的なギャラリーのプレッシャーに押し潰されて捨てゲーを繰り返すのが好きだ。せっかく叩き出した自らのハイスコアがいとも容易く塗り替えられるのは屈辱の極みだ」

「諸君、私はシューティングを、鬼畜のようなシューティングを望んでいる」
「諸君、私に付き従うTF222大隊戦友諸君。君達は一体、何を望んでいる?」
「更なるシューティングを望むか?」
「新たな伝説を打ち立てるシューティングを望むか?」
「動体視力と反射神経の限りを尽くし、三千世界のボスラッシュをくぐり抜ける、嵐のようなシューティングを望むか?」

「シューティン!」
「シューティン!」
「シューティン!」

「よろしい。ならばシューティングだ」
「我々は満身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする裁きの剣だ。
 だが、この暗い冬の時代を10年もの間堪え続けて来た我々に、ただのシューティングではもはや足りない!」
「シューティングを! 一心不乱の至高シューティングを!」
「我らは僅かに数万。RPGユーザーの1%に満たぬマイノリティーに過ぎない。
 だが諸君は一月に数万の小銭をゲーセンにつぎ込み、メガドライブとPC-Engineとサターンをこよなく愛する大馬鹿者だと私は信仰している。
ならば我らは諸君と私で総兵力100万と1人のヘビーシューターとなる」
「我らを忘却の彼方へと追いやり、音ゲーと格ゲーの再生産を繰り返す惰弱メーカーを叩き起こそう。髪の毛をつかんで引きずり降ろし、
ジョイスティックをワイン持ちで握らせ思い出させよう。連中に破壊と弾避けの醍醐味を思い出させてやる。連中に我々のハイスコアへの執念を思い出させてやる。
安地と当たり判定のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事がある事を思い出させてやる」
「一千機の天駆ける翼で」
「世界を燃やし尽くしてやる」