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290世田谷:16候補のほぼ全員が横一線に並ぶ
[連載] 激戦区を歩く
(6)世田谷区 定数の倍16人、横一線に
有力候補そろい、激戦の様相
 都議選の告示まであと四日に迫った十一日朝、無所属で出馬予定の有川は、小田急線の駅で予定した街頭演説の場所を三回も変更した。「(ほかの予定者との)場所取り合戦がすごい」のだという。小田急線千歳船橋、経堂、豪徳寺の三駅は別の陣営がすでに占め、梅ヶ丘駅前を“確保”したのは、七時十五分。「少し前だったら七時半で十分間に合ったのに」と驚く。

 定数八に対し十六人の立候補予定者がひしめく世田谷区。前回も十六人で争ったが、今回は「前回以上に有力な候補がそろい、全く予断を許さない」(桜井陣営の公明区議)という超大激戦の様相を呈している。

 そんな中、「一万枚用意したポスターの四割近くがはがされた」と憤慨するのは、無所属新人の中島弥生陣営の選対幹部。無党派専門の「必勝請負人」と呼ばれるこの幹部の戦略は、他陣営から「ポスター張りの場所選びから、街頭演説やビラのまき方まで実にうまい」と絶賛されるほど。だが、本人は「うちの絵柄を明らかにまねたポスターまで出回っている」と、過熱する前哨戦にため息をつく。

 同区の有権者は都内最多の約六十七万人。各陣営は投票率が50%に達すると予想し、当選ラインは前回より四千票ほど多い「二万票」と口をそろえる。

 小泉内閣の人気に乗じたい自民は、田代、真鍋、三宅の三現職を公認するが、「小泉人気で『大丈夫だ』という気の緩みがあるのか、逆風だった三月、四月より集会での人の集まりが悪い」(三宅陣営)と、警戒感を強める。告示後の小泉首相の遊説日程は未定だが、「首相は来ても一度だけ。同じ党でも選挙となればライバルなのに、三人一緒に首相と並ぶのなら意味がない」と嘆く陣営も。

 一方、「小泉がんばれ、自公は落とせ」と、集会や街頭演説で訴え続けるのは、民主新人の花輪だ。先月十六日の決起大会でも、菅直人・党幹事長の目の前でこの発言が飛び出し、約五百人の支持者をびっくりさせた。阿部とともに同党の公認を受ける花輪は、「小泉さんの改革はぼくらが言ってきたことだからどんどん応援すればいい。その代わり、利益代表的な体質を持つ候補者たちはお引き取り願いたいということだ」と真意を説明、「この激戦では、よほど改革していくことを打ち出さないと浮動票はぼくらに届かない」と付け加えた。

 前回、一万六千票近くを得たものの次点となった後藤は、四月から駅頭での演説を開始。桜井と中島義雄を擁する公明、田副、中里のダブル当選を目指す共産や、ネットの大河原陣営も「従来の支持票だけでは勝てない」などと票の上積みを図る。昨年の衆院比例で民主、自民に次ぐ六万票近くを獲得した自由が公認する吉田、議席奪還をもくろむ社民の池田、自民の野中広務元幹事長の秘書・加藤も含め、十六人のほぼ全員が横一線に並ぶ中で、選挙は事実上の終盤戦に入った。