こんばんは
今回は、野田政権の卦から導かれるTPP参加表明の問題点についてネタを投下します。
TPP参加表明は拙速である、という指摘がよくなされておりますが、
陰陽の上では、「拙速な参加表明」ということよりも、拙速な参加表明した野田氏の
「主観」(=国益よりも党益を重視する姿勢)
に問題があるということになりますので、この点についての解説ということになります
さて、野田政権発足時(正確に言うと「代表戦終了時」)の卦は
「水火既済初爻」です。
※野田政権の卦は、水火既済の複数の意味の内、「終着駅に到着した(寿命が尽きつつある)」
という意味を強く帯びているということが重要です。
※何故、「終着駅に到着した」という意味が強く持つのかの解説は、事情がありまして
省略します
水火既済が「終着駅に到着した」という意味が強く帯びた場合、
爻数の上昇とともに運気が悪化する卦という側面が強くなります
(寿命が徐々に尽きてくるわけですから)
そして、そのまま爻数が上昇し続けると、最終段階の上爻は
「その首をうるおす」「あやうし」(=寿命が尽きる)
と、周公が述べていることが問題になってきます
水火既済についての易経の上爻以外の記述(特に周公の記述)は、この上爻に対して
いかに対処するかの記述が中心です。
周公の主張する対処法は主に2つ
1、ソフトランディングを図る(初爻・2爻・4爻・5爻の記述)
2、終着駅に達した(=寿命が尽きかけた)状態である水火既済から、
起死回生の「寿命延長」を図り、上爻を避けて、別の卦に変化させる(3爻の記述)
つづく
なお、2、の「寿命延長」は、道教の成立に多大な影響を及ぼした概念ですが、
易経の「寿命延長」は、道教のような中華ファンタジーではなく、
純然たる政治手法です(ただし、軍事行動も含む)。
また、「寿命延長」を図るには、
@寿命延長に挑戦できる条件がめったに揃わない(水火既済であるだけでは足りない)
Aさらに、挑戦できても成功フラグを立てるための条件が厳しい
という、二重の厳しい条件が課されており、成功することは非常に稀です。
国家レベルにおいて寿命延長に成功したと認められるのは、歴史上わずかに5例しか
ありません。
「寿命延長」については、詳しくは別の機会で解説します。
現在、6例目となる成功を目指して、某超大国が死に物狂いで努力しておりますので。
※なお、某超大国の寿命延長の「成功フラグ」とTPPは、直接の関係はありません。
※そろそろ成功の「仮フラグ」は立つかな? 某超大国がんばれ!超がんばれ!
もちろん、野田政権には寿命延長に挑戦できる条件は揃っておりませんので、
1、のソフトランディングを図るしか方法がありません。
それでは、周公はどのようにソフトランディングを図るべきといっているか
初爻・2爻・4爻・5爻の記述についての文言についてだけ簡単に解説してみましょう。
つづく
初爻「その輪を曳く」「その尾をうるおす」「咎なし」
意味は
「車の車輪を後ろに引っ張ってブレーキをかける」
「狐が尾を濡らしてしまっては川を渡れない」
「止まっていれば問題はない」
要するに、「安全運転につとめ、新しいことは始めず現状維持に努めること」
ということです。
「新しい交渉事」や「新しい恋愛」は凶
2爻「婦そのふつを喪う」「おうことなかれ」「七日にして得ん」
意味は
「貴婦人が車の覆いを喪い、外出できない」
「しかし、無理して追い求めなくてよい」
「七日もすれば戻ってくる」
要するに、「積極的に追いかけず、現状維持につとめること」ということです。
特に、「交渉事」や「恋愛」で、相手を追いかけることは凶。
交渉事は、しばらく待てば、相手がより有利な条件を出してくるので
それまで待つことが吉
さて、野田氏のTPP参加表明はどうでしょう?
陰陽の上では、TPPの参加表明は、参加するにしてもこの時期に言うのは早すぎる
といえそうですね。
最低限、TPP参加予定国から良い条件を引き出すために、少し待つ、といった努力は
必要であったといえるでしょう。
つづく
4爻「じゅに衣じょあり」「終日戒めよ」
※「じゅ」とは「豪華絢爛な錦の衣」、「衣じょ」とは「ボロの衣」
意味は
「豪華絢爛な錦の衣に裂け目ができて、そこから内部のボロの衣がのぞいている」
「終日戒めて、衣服を整えるべきである」
水火既済は、内部から崩壊が始まり、4爻まで爻数が上がると、外部から見えてしまう。
もちろん積極的行動は、より一層錦の衣の裂け目が広がるので凶。24時間体制で
現状維持に努めるべきである。
なお、内部を精神面ととらえると、「ボロを着てても心は錦」の逆で、
「錦の衣を着ているが心はボロ」という意味を持つこともあります。
そして、その場合、「ボロの心」が隠しきれなくなる、という意味になります。
5爻「東りんの牛を殺すは、西りんのやく祭して実にその福を受くるにしかず」
意味は
「ライバル国は牛を殺すほど盛大な祭りを行えるが、自国は質素な祭りしかできない」
「しかし、そこに誠意がこもっているならば、ソフトランディングができて、
後日、福を受けられるであろう」
5爻まで爻数が上がると、運気衰退が明確になる。こういうときは、虚栄・見栄を
捨てて、質素と誠意を旨とすべきである。
また、5爻の記述は、水火既済の爻数の上昇が自分の運気の低下だけでなく、
それに反比例して、ライバルの運気が上昇するということを意味している
つづく
以上、全ての記述が「現状維持」「安全運転に努め」、新しい交渉事や恋愛は基本的に凶
(交渉に参加するにしても、少しは待って、相手から良い条件を引き出す努力は必要)
という方向性を示しております。
それがソフトランディングに繋がると
なお、現状維持・安全運転といっても、何もするな、という意味ではありません。
爻数の上昇とともに運気が悪化する中、現状を維持するということは大変な努力の
要することです。
野田氏は民主党が終着駅についていることの認識がある方ですので、徐々に運気が
悪化する中で、民主党の党勢を維持するための努力はしているのですよ。
※賞味期限の残る利権の維持に努めてみたり(苦笑)
しかし、国益よりも党勢の維持を優先しているようで、野田氏には党の代表である前に、
わが国の代表であるという意識が足りないような気がします。
好きか嫌いかが行動原理の震雷(天)は、私より公を優先する行為や、自分の責務を
全うする行為を好みます。
一政党の利益と国益、どちらが「公」であるか?、そして、野田氏は党の代表で
ある前にわが国の代表としての責務を負っている、と考えますと、
力を回復した震雷(天)はどう動くかな?
また、麻生政権時に、麻生氏は自民党の党勢維持よりもわが国の国益を優先し、
国の代表としての職責を全うしたこと(それゆえ、選挙で負けることになったわけですが)、
と比較してみることも良いでしょう。
陰陽の上では、自民党の党勢の回復は、民主党政権のミスや自民党の努力だけでなく、
この麻生氏の行為が天を味方につけることになったともいえますので。
つづく
結局のところ、野田氏の卦から導かれるTPP参加表明の問題点とは、
わが国の国益よりも民主党の党勢維持を優先しているところがある(主観に問題)、
ということになります。
国益を優先するならば、もう少し有利な条件を得るために待っても良かったわけですね。
しかし、民主党の党勢維持の観点からは、待つ余地はなかったのでは?
何故、待てないのか?
何故、この時点で参加表明しないと党勢維持ができなくなってしまうのか?
前回述べた
「TPP参加表明の『当初の』主な狙いは、国民や野党の目を逸らす目くらまし」
であったという点も念頭において、この辺りを考察してみるのはどうでしょう。
考察のヒントとしては、「終着駅についた」わけですから、
それまでの過程(ルート)、つまり、政権奪取から今までの道のりを考えてつつ、
「終着駅(ゴール)という位置づけ」をイメージするとよいですよ
余裕があるなら、民主党結党から現在までの過程(ルート)についても
考えてみてもよいですね。
今回はこれで終わりです
お目汚しいたしました。
それでは消えます。