【東電出身】加納時夫前参院議員の行方を捜してます

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173朝日新聞2011年5月20日朝刊より(1/3)
加納時男さん
元東京電力副社長
元自民党参院議員
 35年生まれ。 57年東京電力入社、89年取締役原子力副本部長、97年副社長。議員在職中は国土交
通副大臣などを務める。10年から東電顧問。

 私は1997年に東京電力副社長を辞し、翌年の参院選に自民党から立候補して当選しました。
2期務める中で、原子力発電を推進し、エネルギー政策基本法の成立に尽力しました。
 私はあくまでも経済界全体の代表として立候補したのであり、「原子力村の使い走りとして国政を
やってきた」などというのは、失礼千万です。2期目の出馬の際に開いた1万人集会では、当時の東
電社長のほか東芝会長、日立製作所社長、三菱重工業会長もねじり鉢巻き姿で駆けつけてくれた。経
済界を挙げての「草の根選挙」だったと思います。
 当時の私の秘書5人のうち1人は東電を退職した人で、残る4人は、交代で3年ずつ東電を休職し
て来てくれました。東電の社長に「いい人がいたら推薦してください」とお願いしたんです。ほとん
どが海外留学組で、優秀な方々でした。東電は給与を負担しておらず、国家公務員としての秘書給与
に加え、私の事務所で東電の給与との差額分を補填していました。
174朝日新聞2011年5月20日朝刊より(2/3):2011/05/20(金) 22:49:39.94 ID:LyrkfzhS
 そもそも、「原子力村」という言葉自体が差別的です。政治家や官庁、原発メーカー、電力会社が
閉鎖社会をつくっている、という意昧でしょうが、原子力産業はさまざまな分野の知見を結集しなけ
れば成り立ちません。それを「ムラだ、ムラだ」とおちょくるのは、いかがなものか。
 それに、2005年に閣議決定された原子力政策大綱をつくる際には、使用済み核燃料再処理の是
非を白紙段階から検討しました。政策大綱が原子力業界だけの思惑で左右されるのであれば、ここま
でオープンな議論は不可能だったはずです。原子力行政が独断的、排他的ではないことの証拠です。
 専門家養成のため、原子力業界が大学に研究委託や研究費支援をするのも、「癒着」ではなく「協
調」です。反原発を主張する国公立大の研究者は出世できないそうですが、学問上の業績をあげれば、
意見の違いがあっても昇進できるはずです。ですが、反対するだけでは業績になりません。反原発を
訴える学者では、2000年に亡くなった高木仁三郎さん以外、尊敬できる人に会ったことがない。
そもそも「反原発」の学問体系というものがあるのでしょうか。
175朝日新聞2011年5月20日朝刊より(3/3):2011/05/20(金) 22:51:32.05 ID:LyrkfzhS
 福島第一原発事故について「津波の想定などリスク管理が甘かった」と言われます。忸怩〔じくじ〕
たる思いですが、東電や原子力業界だけで勝手に想定を決めたわけではなく、民主的な議論を経て国
が安全基準をつくり、それにしたがって原発を建設、運転してきたわけです。「東電をつぶせ」など
と大声で叫んでいる人もいるようですが、冷静な議論が必要です。事故は国と東電、業界全体の共同
責任だと思います。     (聞き手・太田啓之)